《拾参》 ページ15
呼吸をしてみなさい。と彩祈さんに言われた。
深く息を吸って、吐く。
『すぅぅぅ......はぁぁぁ......すぅ((ぐへぇっっ』
何故か、彩祈さんにお腹を殴られた。突然のことによろめきながら尋ねた。
『なっ...なんで、殴るんですかぁぁ!?』
彩「甘い...甘いわね。ほら、もうちょっと下腹部に力を入れて踏ん張りなさい。上半身は楽に。ほら!!踏ん張って!呼吸!」
『うがああ゙あ゙あ゙』
呼吸ってこんなに辛いのか...。肺が痛い...。女の子らしからぬ奇声をあげ、踏ん張る。
半分心が折れかけているが、彩祈さんにびしばし殴られそうなので、辛いのを我慢する。
彩「そうねぇ...この調子であと一日この訓練をずっとしてれば取得できるけど、無理そうね...。
そうよ、肺活量が足りないわね。あと、想像力かしら。
陽が落ちるまで結構時間があるから、どこか景色のいい所まで"走って"絵を描いてくればいいわ。ほら、紙と絵の具渡すから、いってきなさい!」
『えええっっっっ。わ、分かりました!行ってきます。』
彩祈さんって行動が突発的なんだよな...と思いながらあてもなく、突っ走る。あんなにも"走って"を強調されたのは初めてだ。
......どこだろう。ここ。なんか山にいる。何も考えないで走っていたら、山にいた。霧が濃い。どうしよう。どこで描こうかな。
ふらふらと彷徨い、少し開けた空間に辿り着いた。その中央には...岩??なんだろ、あれ。
ここがなんとなく雰囲気と色が好きなので、ここで描くことにした。
木にもたれかかり、岩を中心的に描く。
...にしても、ここは不思議な感じだ。神秘的なのもそうだが、何かが不思議だ。
何か生き物がいるって訳でもなさそうだけど、何か...
?「...大丈夫??」
!!!いつの間にか、私の目の前に女の子がいた。...なんだ、この子?狐のお面?生命の色がない。気配も感じれなかった。不思議に感じながらも、
『いや、絵を描きに来たの。そしたら、ここにきちゃって......。にしても、不思議な場所だね、ここ。君は誰かな?』
真「私は真菰。あなたは??」
『あ、私は陽彩Aっていうの!よろしくね。こんなところにいて大丈夫??どこから来たの??』
真「ううん。大丈夫。私はここにしかいれないから。」
『??』
真菰はちょっと変わった子だ。私より年下だろうか。可愛らしくて妹みたい。
真「...あなた、全集中の呼吸をしているの??」
『.........え』
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作者名:はもち x他1人 | 作成日時:2019年12月20日 20時