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店に着くと、言葉を失っていた.
色が付いた硝子細工の美しさに、目を奪われていた.
「 A来たのか?……ってどうしたんだ? 」
『 …! 紗江……さん 』
紗江さんに目のことを話した.
驚きながらも、自分のことのように喜んでくれた.
____ああ、本当に、色が分かるんだ.
他の人にとっては当たり前のように色がわかるけれど、
私にはひとつひとつの色が
新鮮で
綺麗で
美しくて
どうしても、やっぱり涙が止まらなかった.
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『 お疲れ様でした! 』
「 気をつけて帰るんだよ 」
『 はい! 』
帰る途中、ふと海に行きたいという思いが生まれた.
ずっと見たかった、海.
けれど当たりは薄暗くなり始めていた.
____夜は鬼が出るからあまり出歩ってはならはい!
杏寿郎さんの言葉が過ぎった.
そうだ、海は彼が戻ってきたら一緒に行こう.
一番の楽しみは、大好きな彼と____
『 …フフ、楽しみ 』
小さな笑みを零し、帰路についた.
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けれど、
いつまで経っても杏寿郎さんは戻って来なかった.
手紙すら途絶えてしまった.
全てのことを知ったは3日後.
一匹の鴉が私の家に来た.
その鴉は伝書ばならぬ、伝書鴉のようで手紙を持っていた.
なぜか、見てはいけないような気がした.
恐る恐る、手紙を広げた.
『 ______えッ………………… 』
手紙の内容は、
____杏寿郎さんの訃報だった.
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雫(プロフ) - 感動して泣いてしまいました。とても素敵な作品ですね!!これからも応援しています。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: b93c2cbed7 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世 - ハッピーエンドルートを書いて頂きありがとうございます!煉獄さんと主人公が再会して両想いになれたので、嬉しかったし、主人公が色付いている世界を見れて本当に良かったなぁと思います。二人とも幸せになって〜! (2019年11月15日 8時) (レス) id: 66e3f3e997 (このIDを非表示/違反報告)
れこ - 素敵なお話ありがとうございます(ノ_<)もっと煉獄さん読みたいです! (2019年11月15日 4時) (レス) id: f06b0667e0 (このIDを非表示/違反報告)
忠 - コメントしてませんでしたがひっそりと毎日楽しませてもらっていました!素敵な作品をありがとうございました!! (2019年11月11日 13時) (レス) id: ef6d2c5f91 (このIDを非表示/違反報告)
パンな(プロフ) - 切ない…けれど面白かったです!。泣いちゃいました。素敵な作品ありがとうございました (2019年11月10日 10時) (レス) id: 9b4868f67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年10月21日 12時