六 ページ6
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「 ……そうだったのか.
だが、君は偉いな.」
『 ……え? 』
「 家族を亡くしても、大人から意地悪をされても、
病がなかなか治らなくとも
諦めずに耐え続けていたのではないか?
君は何か強い志を持ち続けていたのだな. 」
志なんて、持ち合わせていないのに.
この人は何を言い出すの____?
「 ____きっと、あなたの病は治るわ. 」
「 ____信じていればきっと 」
「 ____治ったらたくさんお話聞かせてね. 」
ふと、脳裏に浮かんだ亡くなる直前の祖母の言葉.
『 あッ…… 』
そうだった、
約束したんだ.
病気が治ったら、お母さん、お父さん、おばあちゃんに…たくさんお話するって.
「 ____肉体はなくなっても魂は宿るのよ 」
「 ____大丈夫、ずっとあなたの傍にいるわ」
「 ____だから、諦めないで 」
諦めないでいようって思っていたんだ.
どうして、どうして、
そんな大切なことを忘れていたのかなぁ…
「 人は負の感情が大きいと 大切なことまで忘れてしまうことがある.
負の感情は誰しもが抱くことだ.
だから、君は何も悔いる必要はない. 」
まるで、全部心を見透かしているかの様だった.
『 でも、どうしたら…… 』
「 それは一つしかない!
また今日から…、いや、今から前に向かって進むだけだ!」
月明かりに照らされた彼の笑顔は十分すぎるくらいに眩しかった.
____真っ暗な部屋に差し込む、一筋の光のように.
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雫(プロフ) - 感動して泣いてしまいました。とても素敵な作品ですね!!これからも応援しています。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: b93c2cbed7 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世 - ハッピーエンドルートを書いて頂きありがとうございます!煉獄さんと主人公が再会して両想いになれたので、嬉しかったし、主人公が色付いている世界を見れて本当に良かったなぁと思います。二人とも幸せになって〜! (2019年11月15日 8時) (レス) id: 66e3f3e997 (このIDを非表示/違反報告)
れこ - 素敵なお話ありがとうございます(ノ_<)もっと煉獄さん読みたいです! (2019年11月15日 4時) (レス) id: f06b0667e0 (このIDを非表示/違反報告)
忠 - コメントしてませんでしたがひっそりと毎日楽しませてもらっていました!素敵な作品をありがとうございました!! (2019年11月11日 13時) (レス) id: ef6d2c5f91 (このIDを非表示/違反報告)
パンな(プロフ) - 切ない…けれど面白かったです!。泣いちゃいました。素敵な作品ありがとうございました (2019年11月10日 10時) (レス) id: 9b4868f67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年10月21日 12時