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Episode3. ページ4

数日後。


「ねーりうら、外行こ?」


ガラガラと点滴スタンドを引きずりながらりうらと歩く。


骨折だけだったからか、すぐに動いていいよ、と言われた。


「外〜?それ怒られない?」


「病院の敷地内ならいいよって言ってたよ。ちょっとだけでいいから外の光を浴びたい……」


ずっと部屋の中にいると、いくら日光が入ってくるとはいえ、気が滅入ってくる。


最初は少し体調が悪くなることもあったけど、ここ3日くらいは全くない。


少しくらいなら外に出ても影響は無いはず。


「あははっ、なるほどね。じゃあちょっとだけだよ?体調悪くなったらすぐ言ってね。」


「やった!」


つい大きな声で喜んでしまい、ここが病院だと思い出して周りにペコペコと頭を下げる。


「Aはしゃぎすぎだって。本当気を付けてよ?まだ治ったわけじゃないんだから。」


「は〜い。なんかりうら保護者みたい……」


人差し指を立てて私に言ってくるりうら。これじゃまるで親子だよ……


そんなことを考えながら、りうらの横を歩いていく。


毎日学校終わりにお見舞いに来てくれているりうら。


今日はどうやら短縮日課で早く帰れたらしく、長い時間一緒にいられる。


……早く退院出来るといいなぁ。


まだ事故の影響で体調が悪くなる可能性があるからと、退院は出来ていない。


でも、このままいけば1週間後には退院できるって言われたからね。あとちょっと。


「えーと……こっち?」


「うん、確か。」


近くの角を曲がると、入り口が目に入った。


久しぶりに直で感じる太陽光。


「久しぶりだぁ……」


思わず呟くと、りうらが「そうだよね、」と頷いた。


「よ……っと。ここ段差あるから気を付けてね?」


先に進んで、段差を教えてくれたりうら。


私そこまで子供では無いんですけど……


そうツッコみたくなったけど、りうらの優しさだと思って言わないでおく。


「ん〜!あつ〜!」


外に出ると、真夏の太陽がじりじりと照りつける。


「今日暑いよね〜……体育中止になったくらいだよ?」


「え、今日そんなに暑い日なんだ……」


長い間病院の中にいたから感覚が狂ってしまっている。


まぁしょうがないか。


……ん、なんか頭痛いかも。


「りうらごめん、私ちょっと頭痛いかも……戻っていい?」


「えっ、大丈夫?無理しないでよ?」


「そんな大したことじゃないって。だけど一旦戻ろ?」

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れん(プロフ) - 更新ありがとうございます! (8月28日 18時) (レス) @page22 id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - Cometさん» 楽しみに待ってます (8月18日 10時) (レス) id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
Comet(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます✨もう少ししたら更新できると思うので楽しみに待っていただけると幸いです……!応援ありがとうございます! (8月17日 23時) (レス) @page21 id: b9234993da (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 面白かったです次の話が楽しみです!更新頑張ってください (8月17日 18時) (レス) @page21 id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
Comet(プロフ) - 想羽〜souha〜さん» ありがとうございます……!更新停止気味ですが頑張りますね!! (7月2日 20時) (レス) id: b9234993da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Comet | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/irisuidei13/  
作成日時:2023年4月17日 19時

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