Episode１９． ページ20
りうらside
「ついたね〜、どこの部屋とかある？」
ほとけっちとバスに揺られること数分、病院に到着。
「えっと……なんか移ったって言ってたかな。特別病棟、だっけ……？」
名前からして特殊な病気とかってことなんだろうけど……
「え、そうなの？……待って、今からりうちゃんが会いに行く子って女の子？もしかして彼女！？」
「彼女、だけど……なんか知ってたりするの？」
急に騒ぎ出したほとけっち。病院の外で本当に良かったよ……
「うわ、もしかしたら僕が会いに行く友達と同じ部屋の子だったり。」
「あー……そういえば言ってたかも。名前は？」
「ん？紫苑初兎、だよ。そっちの子の名前なんだっけ、Aちゃん……とか言ってたっけ？」
……初兎、って……Aが倒れた時に助けてくれた人のことだったりして。
「あ、うん。Aだけど……って、早くしないと時間短くなっちゃうからとりあえず行こ？」
と同時に、道のど真ん中で立ち止まっていたことに気付いて端に寄る。
「そうだね、行こっか。」
ほとけっちと一緒に中に入ると、病院特有の空気が俺のことを包んだ。
「じゃあ受付だけど、りうちゃん特別病棟の慣れてないでしょ？僕行ってくるから待ってて。」
「あ、うん。ありがとう。」
受付をほとけっちに任せて、近くにあったベンチに座る。
周りを見ると、入院しているであろう人から、俺たちの様にお見舞いで来ているであろう人、様々な人がいた。
腕を骨折してしまったのか、三角巾で腕を吊っている男の子。
入院中なのか、点滴スタンドと一緒に行動している中学生くらいの女の子。
車椅子を押してもらっているおじいさん。
花束を抱えて誰かと話している女の人。
退院したのか、白衣を着た先生にぺこぺこと何度も頭を下げている親子。
……こんなにたくさん人がいる中で、Aが助からないなんて、嘘だ。
嘘だって、思いたい……
じわっと目頭が熱くなって、それを隠すためにうつむいた。
ダメだよ、俺が泣いたりとかしちゃ。
１番辛いのはAなんだからっ……
「……りうちゃん？受付終わったけど。」
「あ、ほとけっち……ごめん。場所わかったりする？」
「……うん、わかるよ。着いてきて。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「歌い手」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れん(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (8月28日 18時) (
レス) @page22 id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - Cometさん» 楽しみに待ってます (8月18日 10時) (レス) id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
Comet(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます✨もう少ししたら更新できると思うので楽しみに待っていただけると幸いです……！応援ありがとうございます！ (8月17日 23時) (レス) @page21 id: b9234993da (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 面白かったです次の話が楽しみです！更新頑張ってください (8月17日 18時) (レス) @page21 id: f4dea89aed (このIDを非表示/違反報告)
Comet(プロフ) - 想羽〜souha〜さん» ありがとうございます……！更新停止気味ですが頑張りますね！！ (7月2日 20時) (レス) id: b9234993da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Comet | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/irisuidei13/
作成日時：2023年4月17日 19時
