私、ただの管理人です。【YG】

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マンションの管理人といえば、
ぼーっと暇そうにしているイメージだったが実際にはそうでもない。


マンションの点検、清掃、業者による設備点検の立ち合いなどのハード面の管理に関する業務や、入居者からの相談や苦情の受付など多岐にわたる。



何が大変って、
広い敷地を定期的にぐるぐる見回るのがしんどい。


セグウェイとか買おうかな・・
うん。そうしよう。


日中は管理事務所で監視カメラを確認したり、マンションの点検をしたりして過ごす。

勤務時間は、平日の8時〜16時で残業なし。
素晴らしくホワイト。
それに服装も髪型も自由。
ただ代わりがいないので、体調を崩すと厄介だが、
そこそこの給料も貰えるし、文句は言うまい。








事務所は外観維持の為、ホテルのフロント風に作ったので、カウンターに出ると住人が出入りするのがよく見える。



毎日監視カメラやカウンターから見ていると住人がどんな人なのか、いつ帰ってくるのか大体わかってきてしまう。


わかりたくもないけど。








ウィーン




自動ドアが開き

黒ずくめの住人が帰ってきた。





この人、

私のお隣さんの芸能人。




いつも黒ずくめで、マスクをし、契約者名も会社だから誰だかわかんないけど、無駄に色白な男性。

帽子とマスクの間からわずかに見える目元が雪のように白い。
私も結構白い方だが、いい勝負をするくらいだと思う。



全身の服が真っ黒なのになぜかお洒落な感じがするのは、さすが芸能人だからなのかもしれない。





チラッ




『あ、お帰りなさい。』

声を掛けるも




ペコリ





はい終了。
今日も会釈だけ。


目は合うんだけど、あの人の声を聞いたことはない。
声出したら誰かバレるからかなぁ。








お、16時。

さっ♪
帰ろっと。




ピッと打刻して退勤

エレベーターで最上階へ





ピーピロリ♪


『ただいまー。』




通勤時間1分

いいわ。この生活w

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