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泣きそうな気持ちをなんとか鎮めて
ユンギがいるという作業室エリアに来たが
彼の部屋には電気がついていなかった
"これ、誰のもの？"
"誰の忘れ物？"
正直なんて聞けばいいかわからなかったから
会えなくてよかったかも
ウザがられても嫌だし
なんて
ここまで来てチキンな自分に情けなくなった
すれ違うのはキレイな人ばかり
すっぴんに近いメイクと、こんな普通の格好で来たのが恥ずかしくなってだんだんピアスのことなんてどうでもよくなってきた
住む世界の違いをまざまざと見せつけられるみたい
早くここから出て自分にふさわしい場所へ帰ろう
けど
『最悪』
道に迷ったし
何でこんなに広いの・・汗
『どうしよ』
誰かに話しかけるのも嫌だけど
話しかけないと一生ここから出られない気がする
方向音痴の自分を呪った
さっきまで人がいたのに
今は誰も歩いてないなんて
『はぁ・・』
こなきゃよかった
すると
向こうのほうで誰かが話す声がした
声がする方に歩いて行くとメイクルームみたいな所で
運良くドアが少し開いている
『ふぅー』
様子を伺いながら
ドアノブに手をかけ少し押した
『あの・・すみま、、』
さっきよりも開いた隙間から聞こえたのは
"ピアス無くしちゃって"
なんともタイムリーな話だった
そして
"それって、いつもつけてるハートのやつか？"
そう言うのは
聞き慣れた低い声
早くここから去りたいのにノブを離せないまま
左手にあるハートのピアスをぎゅっと握りしめた
それって、このピアスですか？
ユンギのシャツに入ってましたが、どういうご関係ですか？
茶髪のショートヘアの彼女へ
心の中でそう問いかけた
バーンとドアを開けてそう言いたいけど
根暗な私には勇気がなくて聞き耳を立ててるだけ
"いつもつけてる" か・・
ユンギは、私がいつもつけてるピアス
知ってるのかな？
どんどん沈んでいく気持ちと反して
扉の向こうから聞こえる楽しそうな声
『私って、何なんだろ・・』ボソッ
思わず漏れた声に慌てて口を塞いだけど間に合わなかった
メイク「えっ、だれ」
『ッ』
バッ！
こちらを見た茶髪ショートヘアの彼女と目が合って
あわてて立ち去った
＝＝
『はぁ・・また思い出しちゃった』
私は今でも
彼の理想通りな彼女を忘れられない
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ミンの甘露煮(プロフ) - 名などないさん» コメありがとうございます！楽しんでいただきよかったです🫶新しい作品書きかけてますので、またご覧いただければ幸いです☺️ (3月25日 20時) (
レス) id: b88aa79b26 (このIDを非表示/違反報告)
名などない - 本当に面白いお話でした！ (3月25日 20時) (レス) @page50 id: 2206d7c546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミンの甘露煮
| 作成日時：2024年2月16日 20時
