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スタッフさんたちがいる手前
下手なことは言えないのはわかるけど
ユンギはほんとに
"はじめまして"って顔で
『・・・はじめ、まして。Aです。』
YG「どうも。」
握った手は知ってる手なのに
あまりにもあっけなく離れていく
久しぶりに感じたユンギの温もりは
あっという間に冷めてしまった
『・・・』
ユンギは私からすぐに目を逸らしたが
私は逸らせなくて見つめたままだった
"少し話せませんか"
そう言いたかったけど
今更何を話すんだって言われるかと思うと怖い
ただ少しでも彼の近くにいたかった
YG「・・なにか?」
『ぁ・・いえ・・』
YG「・・では」
スッ
でもユンギはそっけなく
私から距離をとった
『・・・っ』
彼はなにも話すことなんて
なかったみたい
私の横を通り過ぎた彼からは
いつか嗅いだラベンダーの匂いがした
TM「あー・・ユンギヤ今日はありがとねっ!うわぁー僕の好きなものばっかだ!うん、美味い!!Aもこれ食べなよ。好きでしょ?あーコレもおいしそう!」
テミンは空気を変えようと必死に明るく振る舞うが
この場にいるのが耐えられなくて
『ごめん、先に着替えてくるね・・』
タッ
TM「えっ、A!」
私を呼び止めるテミンを無視して
ドレスルームへと逃げ込む
『っ、グスッ』
部屋には丁度誰もいなくて
助かった
あーやめて
早く収まって
じわじわと目頭に溜まっていく涙
目元をパタパタと手で扇いでみるけど
なかなか乾いてくれない
お願いだから収まってよ
〜数分後〜
部屋に帰ってきたスタッフさんに目に"ゴミが入った"なんて嘘みえみえな嘘をつき、しっかり目元を冷やしてスタジオへ戻った
テーブルには平然とテミンと話す彼
あなたがそうするなら
私だって役者のように演じきろう
そう心に決めて一歩ずつ近づく
『ごめんテミナ、わぁほんとに美味しそう。いただきます、SUGAさん。』
YG「・・どうぞ。」
TM「Aこれ好きでしょ、お皿にモリモリ入れといたよ。」
『ふふ 盛りすぎじゃない?w でもありがとう。』
普通過ぎるくらいにちゃんと笑うよ
全然気にしてない
傷ついてもない
悲しくも、寂しくもない
私はあなたがいなくたって大丈夫
そう彼の目に
映っていますように
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ミンの甘露煮(プロフ) - 名などないさん» コメありがとうございます!楽しんでいただきよかったです🫶新しい作品書きかけてますので、またご覧いただければ幸いです☺️ (3月25日 20時) (レス) id: b88aa79b26 (このIDを非表示/違反報告)
名などない - 本当に面白いお話でした! (3月25日 20時) (レス) @page50 id: 2206d7c546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミンの甘露煮 | 作成日時:2024年2月16日 20時