乾杯 ページ26
チャン
薄暗い作業室に響いた2つのグラスの音
私たちは3年前の喧嘩の仲直りをした
心にずっとあったグレーでモヤモヤしたモノが
スーッと消えてなくなった気がした
YG「そうだ。あの曲、聞くか?」
そう言ってかけてくれたのは
2人の思い出の曲
〜♪
ほんと、
久しぶりに聞いた
『懐かしいね』
YG「ああ、そうだな」
春に別れた恋人たちの曲
ユンギが外部に楽曲提供したものだが、作曲の一部に私も携わった
『これ作った時も喧嘩してたよねw』
YG「そうそう。Aが、サビはもっとキーが高い方がいいとか、BPMはもっと下げろとか、もっと切ない感じのメロディー作れないの?とかさぁーw」
『あはは!私がすごい色々言ったからユンギが"なら自由に変えろよ!"ってw」
YG「ほんとさぁ、あとMIXだけだったのに・・。それも朝の3時だぜ?さすがに俺もキレたよw」
『ふふ。でもこれでよかったでしょ?』
YG「ああ。お前の言う通りだったw」
私たちは些細なことですぐ喧嘩して
すぐ仲直りしてを繰り返してきた
でもそれが私たちだったし、それが楽しかった
『まさかこの曲と同じエンディングになるとはね・・』
YG「本当だな」
気づけば
ワインのボトルが3本空いていて
私の頭はフワフワしていた
YG「はぁー。あの木に会いに行くのも今年で最後か』
お酒に強いユンギも今日は酔った様子で
ソファにもたれかかりながら話す
YG「正直さ、今年が最後かなって思ってた。毎年1人で見てるとさ、なんつーか、辛かったんだわw」
『毎年?』
YG「ああ。お前に会いたくて、なw」
『え・・・』
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作者名:ミンの甘露煮 | 作成日時:2023年4月23日 13時