桜雨【YG】 (ページ3)

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93LINE ページ3

ザワァ

少し強い風が吹いて

ヒラヒラと花びらが舞い散る

『ふふ、ユンギの髪に花びらがついた』

「どこ？」

背の高いユンギが少し屈んで私の目線に合わせると
いつもより近い距離で合う視線

『こーこ、ほら//』

ドキドキしながら花びらを手に取ると
それを彼に見せた

YG「あ、Aにもついた」

『え、どこ？』

YG「とってやるよ」

『ふふ、ありが・・』

チュッ

『ちょっ////』

YG「ふっ//」

いつバレるかもわからないのに
そんな状況さえも楽しいのか

クックックと喉の奥で笑うユンギは
いたずらっ子の顔をしてた

しばらく歩くと

「お、A見て。この木俺らと同い年だぞ」

そこには

"植樹1993年"

とプレートに書かれた木があった

『うわ、本当だ。93LINEだね〜』

「なんか、運命感じるなw」

『ふふっ、何それ。なんの運命よw』

YG「わからんw 俺らが同じ時代に一緒にいて、同じ時間を共有してるっていう運命？あれ、何言ってんだ俺w」

キュッと私の手を握りながらそんな事をいうから
私はなんだか照れてしまって何も言えなかった

さっきから発動してるロマンチックユンギはくせものだ

YG「まぁ、なんかさ、その、、この木が1番綺麗で特別ってことじゃね？」

自分でも恥ずかしくなったのか
目線を逸らして少し早口で話す

『うん、確かにそうだね』

私もつられて少し早口で答えた

"なぁA。来年も、再来年も、2人でこの木に会いに来ような"

"うん"

夜空に大きく手を広げた一際大きな桜の木

その木は私たちにとって、
特別な木になった