桜雨【YG】 (ページ18)

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最後の桜ページ18

私を乗せて進む車

窓を少し開けると
湿気った風とペトリコールの匂い

『雨が降るから、か。』

雨の日は肩が痛むって、ユンギ言ってたな・・

でも"この匂いはちょっと好きかも"なんて言ってたのを思い出す

桜・・
ユンギは見たのかな

いつも季節感のない部屋に篭っているから
見れていたらいいな

って

いつまで想っているんだろう

もう、本当に
終わりにしなきゃな・・

今なら言える気がした
凍てついていた‘‘Goodbye to myself’’

『オンニ』

マネ「ん？」

『次の角で降ろして。』

マネ「ちょっと、こんな時間からどこ行くつもり？」

『晩ごはん食べてなかったから、食べて帰る。』

マネ「なら私も行くわよ。どこの店？」

『・・知り合いの店。1人で大丈夫だから。』

はぁ・・とオンニは深いため息を漏らす

マネ「あんた、ほんとに女優できてるの？」

『え？急に何の話？』

マネ「少しは演技上手くなったかと思ったけど。全然ね。」

『オンニ・・ごめん。』

マネ「本当に。私に嘘つくなんて100年早いわw 桜並木の近くで降ろしてあげるから、行ってきなさい。」

『ありがと』

"フード被ってマスクもつけなさいよ！！"

そう言い残してオンニは去って行った