庭師【刀剣乱舞】 (ページ3)

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目が覚めた場所は、私が焦がれたあの
素晴らしい日本庭園ではなく、
手入れもされず長期間放置され
荒れに荒れたただの庭だった。

「うっわぁ……。此処大丈夫なのかな、
主に私の命運、厭、庭も含むか。」

ブラック本丸。誰もが噂でよく聞く話だ。
だが、基本政府も対応は出来ない。

それほど戦力が枯渇しているという事だ。

裏では人攫いをして迄、審神者を増やす非効率的で
非人道的な方法で人員を確保していると聞く。
恐ろしいったらありゃしない。

する事もなく唯唯立ち尽くしていると、建物の
方から先程とは毛色の違うこんのすけが此方に向かってきた。

「貴方様が、庭師の花原様ですね」

「はいそうですが。」

「……取り敢えず、大広間に向かいましょう。皆さんが
待っています。」

「え、あはい。わかりました。」

庭師ごときに時間を取る必要も無いだろうに、
悪態を心の中にしまい言われるがまま、
大広間へと、私は足を運んだ。

本丸は綺麗だった。
厭、ニュアンスが違う。清潔感があると言ったほうが
正しく伝わるだろう。

何かを隠すように、一生懸命掃除をしたような
違和感のある清潔感。

一方的な解釈としてのそれは、血等を拭いているのだろうと
予測させられる。

血はあっても無くても政府が対応しない事を
どうやら知らないらしい。

「此方になります。」

こんのすけは、小さい手で大広間の襖を開いた。

壮観と形容するに値する景色。
何十振りという刀剣が、両端に並んで正座している。

ただ彼らは傷付いていた。
ある物はを腕を抑え震え、ある物には頬に青あざが
見受けられた。

本丸は手入れしているのに、刀剣には手入れをしていないのか。
物に感情など抱くものでは無いが少しだけ胸糞が悪い。

「貴方が庭師?」

奥から聞こえてきたのは、この男だらけの空間には
相応しくないと言える、女の声だった。

審神者である。