ep.3 ページ12
🦇、🦅兄弟。ふたりのパパの🦔くん。
🦇は入院中。
🦅くんあまあまです
* * *
北斗side
俺にはたったひとりの兄がいる。
俺が生まれた時にはもう白い檻にいて、触れたら壊れてしまいそうな容姿も性格も儚い人だ。
優しくて、面倒見が良くて、綺麗で。
もし普通の大学生だったらどれほどモテただろうといつも思ってる。
そんな兄に比べて、俺は暗くて、勉強も運動も中途半端。
友達もほとんどいない。
味気ない学校を終えて、今日も兄の入院する病院に向かった。
「にいちゃん！」
見慣れた白いスライドドアを開けると、中にはいつものようにベッドのリクライニングを起こして本を読んでいる兄ちゃん。
少し空いた窓から差し込む夕日がその真っ白な肌をより美しく写した。
大「北斗、来てくれたの？」
本を閉じ、こちらを向いて笑った。
「うん、」
大「退屈じゃない？せっかく中学生になったんだから、友達と遊んだり、」
「友達なんて、いないし…、それに、兄ちゃんといる方が楽しい！」
大「ふふ、そう…？」
俺の頭を撫でた手はまた少し骨っぽくなった気がした。
「あのね、それでね…、にいちゃん？」
また夢中になって話してしまった。
気づけば窓の外は暗くて、目の前の兄はうとうとしている。
「にいちゃん、眠い？」
大「ん、大丈夫だよ。それよりほくと、そろそろ帰らなくちゃ。父さんが心配してるよ。」
「…でも、」
大「だーめ、ほら、これでお菓子かってかえりな。」
そう言って俺の手にちょこんと載せた五百円玉。
「にいちゃ、」
大「父さんには内緒だよ？、じゃあ、またね。」
兄に追い出されるように病室を出て、閉められた白い扉の向こうから聞こえた咳を抑える苦しそうな声には気づかないフリをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん - 更新楽しみにしています (2月25日 14時) (
レス) id: 1f3daddeea (このIDを非表示/違反報告)
なる - 更新うれしいです！ありがとうございます！ (11月15日 20時) (レス) @page26 id: b593d6990a (このIDを非表示/違反報告)
yun - 気長に楽しみにお待ちしております！いつも更新ありがとうございます :) (8月12日 11時) (レス) id: 71f21611c1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - のあさん» しばらく更新は厳しいですが閲覧は0815で可能です！よろしくお願いします🥹 (7月28日 22時) (レス) @page18 id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 主様の作品全部大好きです♡！良ければなんですけど（がんばる君に。）のパスワードを教えていただけませんか？お願いします！！ (7月28日 22時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛 | 作成日時：2023年7月6日 23時
