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『…長尾さん！？』
待ち時間にスマホをいじっているとスタッフさんの大声に反応して視線を向けた。
そこにはスタッフさん何人もが集まっていて、その真ん中にはセットの床で倒れている謙杜。
「…えっ、」
急いで駆け寄るとみんな慌てた様子で、
「ど、どうしたんですかっ、」
スタッフ「な、長尾さんが、急に…っ、」
「けんと、けんと、大丈夫…っ？」
謙杜「…」
小さく揺らすけど反応はなくて、やばいと思ったスタッフさんが呼んでくれた救急車に乗せられて、あっという間に病院に着いた。
処置してもらった謙杜はさっきよりも大分顔色が良くなっていて。
重度の熱中症で検査も込めてしばらく入院せなあかんらしい。
白いベットに横たわる色白な謙杜の頬をそっと撫でる。
また、無理させてしまったな。
デビューしてからありがたいことに僕らは凄く忙しくて、こうして謙杜が体調を崩してしまうことはよくあったけど、入院なんて久しぶりやった。
謙杜「…ん、…りゅせ、くん？」
触れたせいで起きてしまったのか、小さく目をぱちぱちさせる謙杜。
「ごめん、起こした…？」
謙杜「んーん…、あれ、おれ、…ぁ、おしごとっ、」
撮影のことを思い出したのか勢いよく起き上がったけど、すぐにまたベットに倒れ込んでしまった。
「まだ寝てなあかんよ…っ、」
謙杜「…っ、ごめんなさ、おれ、また…、」
綺麗な手で目を塞ぐように隠した謙杜だけどその頬には涙が零れていて。
この子はほんまに体が弱いのを引き目に感じてるのか人一倍責任感が強いから…。
謙杜「…おれのからだ…なんでこんななんやろ…っ、」
謙杜「迷惑ばっかり、もう嫌や…っ、」
布団をぎゅっとシワがつくくらい握ってそこに涙を零す謙杜。
こうして弱音を吐くのは珍しかった。
「迷惑やなんて誰も思ってへんからな…？」
謙杜「りゅうせいくん…っ」
「大丈夫、いっぱい泣いてええよ、」
体を楽にしてやることは出来ないけど、強がりで頑張り屋なかわいい末っ子を少しでも甘やかしたくて、優しい言葉をかける。
僕の胸でわんわん泣く謙杜の体からは真夏のいい香りがした。
真夏の香り fin
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おもち。(プロフ) - マンネさん» リクエストありがとうございます！気長にお待ちいただけると幸いです💕 (2022年10月19日 19時) (
レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
マンネ - お話どれもとても面白いです！心疾患と喘息を持って生まれてきた💛くんと初めて会うお話を読みたいです！家族設定でお願いします。 (2022年10月19日 19時) (レス) id: c2f3ec8d12 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 末っ子さん» リクエストありがとうございます💓気長にお待ちいただけると幸いです。 (2022年10月12日 23時) (レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
末っ子 - 持病の悪化で入院中の💛くんが、検査に行くのに乗ったエレベーターの中に閉じ込められて発作をおこしてしまうお話をお願いします。いつも更新楽しみにしています！ (2022年10月10日 21時) (レス) id: 659b1c8562 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - ましろさん» ありがとうございます！！個人的にもこの設定好きなのでリクエスト嬉しいです🙃お待ちいただけると幸いです💛 (2022年10月8日 23時) (レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2022年9月24日 7時
