# ページ11
駿佑side
"謙杜、入院になった。"
"今から行くね"
兄ちゃんからのメッセージに既読をつけて、部室の椅子に腰掛ける。
先週家に帰れたばっかりやのに、
また入院になってしまった謙杜。
きれいに磨いてくれたシューズに履き替えると、今朝の罪悪感で胸が苦しくなる
｢けんと、っ…、｣
いちばん辛い思いをしているのは謙杜やのに、
病気でいつだって死と隣り合わせな生活をしてるけんとを誰よりも近くで見てきたはずやのに、
しんじゃえなんて、俺、ほんまに酷いこと言ってしまった。
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金色に光るトロフィーを両手で抱えて、大会の疲れがなかったかのように一目散に走った。
謝らんと、
ほんまはそんなことおもってへんって、
けんとに謝らんと。
いつもならバスで向かうけど、その時間すら待ってられなかった。
｢けんと、！｣
謙杜｢ぇ…、あ、しゅんにぃ、｣
ふたつも点滴をぶら下げて呼吸を助けるためだよと前教えてくれた透明なチューブを鼻の下に繋げた謙杜は朝よりも弱々しく見えた。
ノックもなしに入るとびっくりしたようにこちらを向いた。
謙杜｢…またいちばんなんや、！しゅんにぃすごいなぁ、けほっ、｣
手に抱えるトロフィーを見て目を輝かせて優しく笑った。
｢…おんっ、け、けんと…っ、あの、さ、｣
｢…、ごめんっ…｣
｢ひどいこと言って、ほんまにごめん…、｣
謙杜｢え、？謝らんとってや…、しゅんにぃ、おれもごめんなさい…｣
謙杜｢しゅんにぃの自由、たくさんとっちゃって、ごめんなさぃ…けほっごほっ、｣
咳き込む背中に触れると高めの体温が伝わってきた。
そうやった、俺のたった一人の弟は、
謙杜は、昔も今もこういう子やった。
自分のことよりも周りのことばっかりで
｢ごめん、ごめん、…っ｣
頼りにならないし、素直になれないこんなダメな兄をどうか許して…
俺は謙杜のぽかぽかした薄い体を失くしてしまわないように、
大事に大事にぎゅっと抱きしめた。
すなお fin
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おもち。(プロフ) - マンネさん» リクエストありがとうございます！気長にお待ちいただけると幸いです💕 (2022年10月19日 19時) (
レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
マンネ - お話どれもとても面白いです！心疾患と喘息を持って生まれてきた💛くんと初めて会うお話を読みたいです！家族設定でお願いします。 (2022年10月19日 19時) (レス) id: c2f3ec8d12 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 末っ子さん» リクエストありがとうございます💓気長にお待ちいただけると幸いです。 (2022年10月12日 23時) (レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
末っ子 - 持病の悪化で入院中の💛くんが、検査に行くのに乗ったエレベーターの中に閉じ込められて発作をおこしてしまうお話をお願いします。いつも更新楽しみにしています！ (2022年10月10日 21時) (レス) id: 659b1c8562 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - ましろさん» ありがとうございます！！個人的にもこの設定好きなのでリクエスト嬉しいです🙃お待ちいただけると幸いです💛 (2022年10月8日 23時) (レス) id: bcb8e1b2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2022年9月24日 7時
