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『そうか、地下二階かぁ……それは困ったなぁ』


ut「…なんで、なんで笑ってられるん!」






ギシッ、と古めかしい椅子が二人分の体重に悲鳴をあげた。
Aの細い首を掴み顔を歪める鬱をAはまた冷ややかに見つめる。
首を掴む手が鬱のききてではないのは優しさか、はたまた煙草が勿体ないからかなんてこの際関係ない。




『私がお前のことを憎むと思うか?確かにこの行為は裏切りと取れるだろうがそれもまた一興。人には人の進むべき道があるからな』




少女は例えどのような状況に陥ろうともその気持ちだけは崩さない。
仲間に裏切られようとも、殺されたとしても最後まで彼らの身を案じるだろう。
誰よりも人の内面を知り心の内を読み取れる鬱だからこの気持ちが嘘偽りないものだと気づく。




ut「Aちゃん、俺は……………」


「やあやあやあA・ブラディ殿!気分はどうかね?」




紡がれた声はそれを上回る声量でかき消された。
目の前にいた鬱がどけばそこにいるのは恰幅のいい赤のマントをつけたいかにもという感じの初老の男が立っていた。




『御機嫌ようリードル国国王シュバルゴ国王陛下。貴方からの茶会の誘いは無かったはずですよ』


「ふむ、やはり噂通り。齢10の少女とは思えんな」


『最早取り繕うことも面倒になってしまいましてね。…それにしても陛下、この扱いは如何なものかと?』





Aは自身を戒める革製のベルトをちらりと見て肩を竦める。
幼くしてもレディはレディ。
英国紳士ならばこの扱いはないだろう。
まあシュバルゴにとってはそんなもの些細な事で特に気に求めることなく話を進めていく。





「貴方が私と約束していたかなんてどうでもいいんですよ。唯、私が貴方に用があった。それだけでいいじゃないですか!」


(饒舌でプライドの塊……これが一国を統べる王だなんて国民が可哀想だな)



Aが呆れる合間にもシュバルゴは止まることなく言葉を紡いでいる。
もはやここまで来ると拍手ものだ。



「______おっと、つい話し込んでしまった。すまないねA殿。私はまだやることがあるのでね、ここら辺でお暇させて頂くとするよ。鬱、行くぞ」



赤いマントを翻しまた鉄扉をくぐるシュバルゴの後を追って鬱は歩く。
一瞬振り返って見せたその顔は何故か歪んでいて到底裏切り者の顔とは思えなかった。
その真意とはいかに。

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天笑くん(プロフ) - もう更新はなされないのでしょうか……。Twitterの垢などありましたら是非繋がりたいです……。 (2020年10月3日 4時) (レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
つん - あああああ好きです (2020年3月11日 23時) (レス) id: cfb0800075 (このIDを非表示/違反報告)
まぁち - え、もうやばい… 惚れる… (2020年1月6日 21時) (レス) id: ba1aceb76e (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - いおさん» 乙女ゲー…なるほど、その考えはありませんでした。検討してみます。コメントありがとうございます (2019年11月6日 6時) (レス) id: 1c07c807f8 (このIDを非表示/違反報告)
いお - 乙女ゲーパロがいいです! (2019年11月5日 19時) (レス) id: 35fa5d69c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@mimizu810 | 作成日時:2019年8月7日 2時

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