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カタカタカタ。
馬車が軽く揺れる音と緩やかな振動に揺られながら、Aと鬱は馬車の中で向き合っていた。
そこに会話が生まれることはなく、だがギスギスとした雰囲気が流れるわけでなく2人ともその静寂を楽しんでいる。
今回の同伴は鬱である。
決め方はもうご察しの通りなので以下略としよう。
ut「というかAちゃん他国に知り合いおってんな」
どことなく鬱が口を開いた。
素っ頓狂とも思えるその問いにAは怒るわけでもなく窓辺に頬杖を着いたまま答える。
『私にだって知り合いくらいいるさ。しかも今回会いに行くのは私に恩のあるやつだからな。ついでに面白い』
ut「ふぅん…」
けたけたとおどけた様子で笑うAに鬱は訝しげな目を向ける。
別に疑っているわけではない、だってA決めたことだから。
ただ、そう。
いうなれば気に食わないのだ。
自分たちの知らないところでAが誰かと交流し、関わりを持ち、仲がいいことに。
Aは見透かしたように口角を上げ何ともないような表情をうかべる。
『ま、お前にとってもいい経験になるだろうさ』
嫌に不敵な笑みを浮かべるAに鬱は眉をひそめながらも目的地に着くまでの残りの二人きりの時間を緩やかな静寂として消費していった。
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天笑くん(プロフ) - もう更新はなされないのでしょうか……。Twitterの垢などありましたら是非繋がりたいです……。 (2020年10月3日 4時) (レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
つん - あああああ好きです (2020年3月11日 23時) (レス) id: cfb0800075 (このIDを非表示/違反報告)
まぁち - え、もうやばい… 惚れる… (2020年1月6日 21時) (レス) id: ba1aceb76e (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - いおさん» 乙女ゲー…なるほど、その考えはありませんでした。検討してみます。コメントありがとうございます (2019年11月6日 6時) (レス) id: 1c07c807f8 (このIDを非表示/違反報告)
いお - 乙女ゲーパロがいいです! (2019年11月5日 19時) (レス) id: 35fa5d69c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@mimizu810 | 作成日時:2019年8月7日 2時