怠け者のハイエナ【ワンピース】【CP9】 (ページ9)

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番外編…トラウマ② ページ9

「お主がわしの事をどう思っていようが自由じゃが、わしを善人だと思っているのなら、その考えは改めたほうが良い」
　カクがそう言うと、Aの顔に流れていた涙は止まる。少しの希望を持つことも許されないCP9の現実を突きつけられる。逆に少しでも「カクだから」と希望を持ってしまったAが間違いなのだろう。

「……でも、子供だよ？」
「逆に子供こそじゃ」
　カクの目線はAの目線より高くなる。そして、Aに背を向けた。今からカクがどんな行動に出るのか、Aはすぐに察した。カクを止めるために「待って！」と言う。

「私達とは違って、未来も……希望もあるんだよ！」
「殺しを見られたことには変わりないわい」
「だけど……」
「Aはここ(CP9)に入ってから善人を見た事があるか？そんなの無いに等しいじゃろう」
　Aはその言葉に口が籠もる。

「子供の未来や希望なんて知らん。わしらも同じものを潰されてるんじゃ。どうして他の子の未来と希望を望まんといけないんじゃ」
　カクはそう言いながら、Aに顔を向ける。Aの顔は少し青くなっている。何も本当の事を言ったまでだ。カクは何も嘘を付いてはいない。それがAには苦しかった。嘘をついてないから、何も言い返せない。

「さっさと終わらせて、甘いもの食べに行くぞ」
　カクは脱力しているAの腕を引っ張って子供の所に連れ出す。Aはされるがままだ。

　少し質素な建物の中に子供が1人と男女の未成年が2人。子供はもう息絶えており、女の目は生気が失われており、男は笑っている。

「A」
　女の体は少しビクッと揺れる。

「おめでとう、お主はここで殺し屋としてまた、1つ階段を登ったんじゃ」
　男はおめでとうと言っているが、女には、また1つ一般人の階段を降りてしまったため、めでたい気分では無い。それより、子供を殺めてしまった罪悪感と体に付着している血液が不快で仕方が無い。

「さぁ祝いじゃ、今回はわしの奢りで食え」
「……カク」
「ん？どうしたんじゃ？」
「……帰ろう」
「……ほうか」
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こんにちは、カツカレーです。
今回作らせていただいた〈トラウマ〉は今後のお話でも深く関わってきます。
あの話の流れでこれを出すのは少し迷いましたが、ちょうど1000hit超えたことと、お気に入り追加して頂いた人数が10人になったことで、お礼として出させていただきました。

これからも〈怠け者のハイエナ〉をよろしくお願いします。