怠け者のハイエナ【ワンピース】【CP9】 (ページ5)

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4……所詮は殺し屋ページ5

2日間船の中に居ると退屈だが、帰ったら任務の内容を聞けると思うとそんな退屈も無くなる。犬だったら、尻尾を左右に揺らしていただろう。

「あと2時間くらいでエニエスロビーに到着します」
「分かった」
　任務の内容は何だろうか。一般人の振りをして何処かのお偉いさんを殺して物を奪うのか？裏社会の人間として生きていくのか？考え出すと止まらない。
　もしも、一般人として暮らすことになったのなら、何をしてみようか。体力には自信があるから、力仕事が出来る大工になってみようかな？いや、最近気になっている楽器にでも触れてみようかな？サックスとかトランペットとかカッコイイよなぁー。数年間もあるのなら上手くはなるだろう。

「んー！早く帰って内容が聞きたい！」
　そう言うと近くで本を読んでいたルッチが少しこちらを見た。すると「お前は本当に好きだな」と言った。

「だって一般人と絡む機会がこれくらいしか無いからね」
「一般人と絡んで何が楽しいのか……」
「はぁー……。何も分かって無いなぁ」
「お前には言われたくない」
「だって一般人と絡むなんて楽しいに決まってるでしよ！」
「俺にはさっぱりだ」
　ルッチがそう言うとまた本に目を移した。これで会話は終わりと思ったが、ルッチに「いくら一般人と仲良くなっても、タイムリミットが来たらそれまでだが、お前はそれでも一般人と仲良くなりたいか？」と聞かれた。

「確かに……ルッチが言っていることは正しいよ。」
「だったら……」
「でもさ、今まで仲良くしていた人に裏切られたって分かった瞬間の歪んだ顔……めっちゃ良いと思わない？」
　ルッチが何か言いたそうにしていたが、それを遮り、笑を浮かべながら言った。するとルッチも「……確かに、そうかもしれないな」と言って、少し笑った。

「私も本読もーっと」
　そう言って、私は部屋を出た。

「……あいつも所詮殺し屋って事か」
　なんてルッチが口に出しているなんて知らずに。