35：友達 ページ36
ベッドで一日を過ごし、時間になるとリハビリだと歩かされる。足は全然思い通りには動かなくて、イライラするだけ。
「A、高校のお友達が来てくれたわよ」
「やだ、帰ってって言って！」
母の声に対して、布団に閉じこもったままそう返した。こんなあたし、誰にも見せられない。
「なんでよ！？」
聞き慣れた、けど懐かしさを感じる声がしたと思うと、布団を引き剥がされる。伊織と星奈がそこにはいた。
「よかった、本当に本当に心配した！」
「うん、本当に、生きててよかった……」
泣きながら抱きついてくる二人。なんで、今のあたしはこんなにもみじめなのに。
「……でも、足が」
「車イス押すくらいしかできないかもしれないけど、学校で困ることあったらなんでも言ってよ？」
「学校……」
こんな状態で学校になんて行けない。今まで築いてきた地位はきっと崩れ去ってしまっている。あたしの居場所なんて。
「Aが学校来ないと、シャオくん一人で文化祭実行委員しなきゃだよ。そうそう、シャオくんかっこよかったの！Aが入院してるから、実行委員は代理立てようって話になってなんだけどね」
伊織がベッドに座りながら言う。星奈はベッド横のイスに座っていた。
「シャオくんが、あいつは帰ってくるんだから、それまでは俺一人でやれるって言い張って。」
「シャオくんが……？」
あたしの居場所を、残してくれてるの？
でもあたしは、そんなシャオくんに応えられない。
「ラインも全然既読つかないんだもん、どれだけ心配したと思ってるの！？今すぐシャオくんに連絡して！」
半ば怒りながら伊織に迫られて、助けを求めるように星奈を見た。
「志谷くんは今も不安で寝れてないと思う。シッマも言ってた、あいつあのままじゃやばいって。……病室って電話禁止？」
「多分」
伊織が車イスを引っ張ってくる。
有無を言わさずあたしを車イスに乗せ、病室を出た。
「なんで、あたしのために、色々してくれるの」
「私たちとAが友達だからでしょ」
「友達って、そういうものなのね……」
思わず言葉がもれて、あわてて口を塞いだ。
だって、今まで友達なんて居なかったから。
高校生になってたくさん友達ができた。でも、うわべだけのものが殆どで。スクールカーストを維持するためってだけで。
でも、この二人は違う。
「シャオくんに電話するよ！」
「……わかったわよ！」
みじめなあたしでも、受け入れてくれる人も居るのね。
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heroes(プロフ) - 3人ともめちゃくちゃ面白かっです。何度も読み返させて頂いてます。その中でもこの視点は今か今かと続きを待っていました。いざ終わると凄く寂しいです。これからも読み返させて頂きます。 (2019年10月5日 21時) (
レス) id: b066a86010 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - zut（ジット）さん» 本当ですか？嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！笑 (2019年5月10日 17時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い…ちょっとクールというかツンデレ感というかそーゆーとこめっちゃ好き。キャラ的に一番好きやなぁ (2019年5月5日 0時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - zut（ジット）さん» 早い！いつもありがとうございます、すき！がんばるのてこれからもどうぞよろしくお願いします〜〜！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - お気に入りは７人目かな…出遅れてしまった(´・ω・｀)でも一コメやから良しとしよう！これからも一コメを取り続ける宣言します(｀･ω･´)ゞ (2019年4月10日 23時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
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