13：調理 ページ14
「Aは普段料理とかしてる？」
「してない」
「一人暮らしなのに？…あー、一応フライパンと鍋はあるんだね」
あたしの家のキッチンを漁りつつ、伊織が言う。
「調味料持ってこなきゃ…砂糖と塩くらいしかないよ！？」
「醤油とポン酢と塩コショウもあるわよ！」
料理なんて最初の数日しか続かなかった。見た目は努力して化粧したり髪を巻いたりもするけど、料理なんて普段見えないし。
「自信のほどは？」
「何とかなるとは思ってるわ」
「怖い！」
「なんのために伊織を呼んだと思ってんの」
あたしの言葉に、伊織がくるりとこっちを向いて、力強く言った。
「だめ！Aのお弁当を望んでるんだよ！」
「だから誤解してる！」
なんならシャオくん、伊織からのお弁当の方が喜ぶかもしれない。
「シャオくんは別に、あたしが好きだから言ってるわけじゃないわ」
あたしも別に、シャオくんのことは気になるけど、まだ好きになったわけじゃない。
「好きの種類はわかんないけど、絶対好いてるよ！好きでもない人のお弁当なんて食べたいって思わないもん」
伊織も宇津井にお弁当ねだられてたけど、それも当てはまるって気付いてる？
でもそうね、プラスの感情であることは確か。
もっちからの好意に気付いててあの反応、そう思うとちょっと、優越感。
「絶対シャオくんに美味しいって言わせてやる」
「私も！絶対うつくんに美味しいって言わせてやる！」
宇津井は無条件に美味しいっていうでしょうよ。
・
・
「…できた！」
「うん、いい感じ！」
お弁当が五つ並んでいる。
ミニハンバーグがメインのシンプルなもの、が二つ、同じくミニハンバーグメインのかわいいものが三つ。
勿論シンプルな方があたし作。さすがにそこまでかわいい極振りはできない、キャラじゃないし。
カラフルなピックや星形・花形にくりぬかれたチーズとか、ニンジンとか、たしかにかわいいけど。
「それ、宇津井が食べるんでしょ？」
「うつくんと星奈と私！」
「星奈が、今日お弁当だったらどうするのよ…」
「星奈がお弁当なのはレアだからきっと大丈夫」
あたしの前には、シャオくんとあたしのお弁当。まぁ当然中身は同じ。きれいにできた方をシャオくんの方に入れてるから、自分の方がちょっとがたがたしてはいるけど。
……ふーん、こんな感じなのね、誰かにお弁当作るのって。
大変だったけど。
シャオくんのリアクションが楽しみで仕方がないわ。
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heroes(プロフ) - 3人ともめちゃくちゃ面白かっです。何度も読み返させて頂いてます。その中でもこの視点は今か今かと続きを待っていました。いざ終わると凄く寂しいです。これからも読み返させて頂きます。 (2019年10月5日 21時) (
レス) id: b066a86010 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - zut（ジット）さん» 本当ですか？嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！笑 (2019年5月10日 17時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い…ちょっとクールというかツンデレ感というかそーゆーとこめっちゃ好き。キャラ的に一番好きやなぁ (2019年5月5日 0時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - zut（ジット）さん» 早い！いつもありがとうございます、すき！がんばるのてこれからもどうぞよろしくお願いします〜〜！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - お気に入りは７人目かな…出遅れてしまった(´・ω・｀)でも一コメやから良しとしよう！これからも一コメを取り続ける宣言します(｀･ω･´)ゞ (2019年4月10日 23時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
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