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Aが立ち去ってからというもの、ロンはひどく取り乱していた。
ぐずぐずと泣く声が、ざわざわとハリーの集中力を乱す。
どこに落ち度があった、どれが本当のAだ。
脳内の思惑が、キャパオーバーになったとき、地下牢を満たすようなハーマイオニーの叫び声が響いた。
「ハーマイオニー！！！
くそ、Aなんか、Aなんか…信用しなければ・・・」
ロンの言葉は最もだった。
今までで一番最悪な展開になっている。
ハリーの前には、例のあの人すら現れてしまった。
もう打つ手はないのか、と絶望したとき。
ふと地下牢の床にたまった水面と自分の顔が見えた。
先ほど顎を強打するほど地面にたたきつけられたのだ、メガネのレンズもわずかにひびが入っている中、そこに映っている自分の顔はまるで別人のようだった。
「なんでAなんか・・・「ロン。僕の顔、どう見えてる？」
突拍子もない言葉にロンは不思議そうに小首をかしげた。
「どう見えるって…普通に見えるけど、」
「僕の額に稲妻マークはあるか？」
「え、あれ？ない。かも…あれ？あれ？？」
ロンがしばらく見つめ続けると、ぼやぼやとしていた視界はやがてはっきりと明瞭になり、そこには顔面をぼこぼこに殴られたようなハリーが現れたのだ。
「どうなってるんだ？さっきまで普通だったのに、きみ、顔がすごいことになってるぞ。」
「そういうロン、君だって。」
「ってことは、まさかハーマイオニーも？」
「ヴォルデモートのやつが、僕に目もくれなかった理由がわかったよ。
あいつら、僕がハリーポッターだって、まだわかってないのかもしれない。」
そりゃあ、元の顔もわからなくなるくらいぼこぼこにされていたら、そうだろう、とロンは心の中で思ったが、ちょっと待ってと叫んだ。
「いや問題はそこじゃなくて、いつの間にそんなに殴られたんだよ、おかしいだろう？君自身が気が付いてないなんて、」
「いや、これはたぶん呪いだよ。」
「え？呪い？でもそんな呪い、いつ…」
「Aだ、」
ハリーの口角はわずかに震えていた。
「あの時だ、林で追われていた時、失神呪文をかけられたのに、僕も君もハーマイオニーも何もなかった。顔に違和感を感じなかったのは、Aの魔法で、君たち二人の顔を見ても違和感がなかったのは、呪いで瞼が半分も空いてなかったからだ。
はは、」
乾いた笑いを零したハリーの様子を、そんな時ロンの目に信じられないものが止まった。
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イライザ(プロフ) - ルリさん» お返事遅れてすみませんでした、ありがとうございます｡色々な作品の中でも印象にの子たのが印象に残ったのが幸いです、不定期ではありますが新しく物語を始めました｡またそちらでもお会いできたら幸いです｡ (2021年3月15日 2時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 初めて感動しました。とても素晴らしい作品だと思います。言葉では表せないです。色々作品を見てきましたが、自分の心にすごく刺さって、感情移入しました。もっとイライザさんの作品を見てみたいと思いました。素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございました (2020年12月16日 15時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - 鈴猫さん» お返事が遅れてすみません、ありがとうございます、ここまで長く続けて来られたことに感謝です。本当にありがとうございました！！ (2020年7月20日 23時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
鈴猫(プロフ) - すごく面白かったです。主人公の最後は思わず涙が流れました。どんな最後にしろhappyかbadなのか、それは人それぞれなのですが凄く良かったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月17日 6時) (レス) id: c2b147e245 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» これで書かないのはちょっとなあと思いながら、書いていました。正直後悔はしていません。でも泣いたという言葉をもらえただけで、自分の中で気になっていたモヤモヤが貼れました、ありがとうございます。if話では精一杯幸せに書くのでご覧ください。 (2020年4月14日 23時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月22日 13時
