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「やっぱり、意地なんて貼らずにきちんと聞くんだった。」
Aは小さな声で後悔しながらも日記の続きをめくっていった。
《わしがあの子に残してやれるのはこの家とグレイくらいだ。
わしはわしの育てた息子を信じることできない。
あいつは本当に化け物のような男だ。
あいつに目をつけられたマーシェリー殿には本当に気の毒に思う。》
予想外の記述にAは目を見開いた。
確かにAの中の父親は何処と無くだらしなくて、いつもマーシェリーの尻に敷かれているようなイメージがある。
ただこれまでマーシェリーの記憶を見たり、人伝に聞いた両親のことは何と無く今の形とは違うのだとわかっていた。
だが実父にここまで言わせる父親は一体どんな人物なのだろうか。
Aが興味津々に下に視線を下ろすと、そこには恐るべきことが書かれていた。
「…え。」
《あやつが引き離した、二人の女の子、どうか無事であることを祈る。》
「ふ、ふたりのお、んなのこ？」
え。どゆこと…
Aはがっくりと膝から崩れ落ちた。
言葉が空気のようにAの口から抜けていく。
二人の女の子、それはつまり、Aの片割れは女の子でなければならないということだ。
「ってことは…あの男は…一体…うっ。」
Aは想像するだけで吐き気がした。
黒髪黒目の男が脳裏によぎる。
今思えば、最初から何処かきな臭い男だった。
でも後づけされた根拠がAには否定することが難しかった、故にAは男の正体が見抜けていなかった。
それどころか未だってどこの誰かわからない。
Aはあのコンパートメントでどうして男が逃げ出したのか今わかった。
もしもあのとき、Aとルーピンの後をつけていたのなら。
あの話を遠目からでも聞かれていたのなら。
彼はきっとAがブラック家にいくことと誤解して逃げ出したのだろう。
そうなれば情報源であるAとクリーチャーが出会い、彼のいったことが全てデタラメだったということが証明されてしまう。
それどころか、記事のタレコミだってある。
あれを見れば、きっと誰もがブラック家の正当な後継者がいることをわかっているはずだ。
「くっ…」
初めてやりようのない煮え切らない怒りを覚えたA。
今ここにいればあのすまし顔に迫ってやるところなのに、残念ながら後一歩というところでAのてからすり抜けてしまった極悪人。
「見てなさないよ…」
そう言葉を残して、Aはぐっと手を握った。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
