甚爾は私の弟ですが【呪術廻戦】

「No.42」『冗談について』 ページ42

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そんな出来た話があってたまるもんですか。

補助監督さんの帰る所、戻るところと言えば高専。

甚爾も乗ったまま高専に着いたのは夕方だった。

車内では涼風くんが私の事を語りまくり、
甚爾はそれを面白がって聞いていて、
当の私はというと、本人の前でする話じゃないと
言うか言うまいかを悩んでいた。

所変わって、今は高専。

「で、これまた何で高専なんだよ
　家に送ってくれるんじゃなかったのかよ」

「僕はAさんから言われた通りに運転しただけ
　なんで、ね、Aさん！」

「いや聞いてねぇ」

『はい、2人は距離を取ろうか
　甚爾はさ、何の為に私が呼び出したと思ってんの』

「それは…」

『まぁ、この際どっちでも良いんだけど
　家帰るのはもうちょっと待ってて
　ほら、こっち』


甚爾の手を引き歩く。

目指すは…。


「「何でお前がいんだよ」」

『甚爾、開口一番にそれは無いよ』

「悟、これでも相手は大人なんだから」

『夏油くん、それは煽ってるよね』


最強2人の元へ来ました。

甚爾と五条くんは仲がよろしく無いようだけど。


『夏油くん、はいお蕎麦です
　五条くんには八ツ橋とおたべ、良ければ食べてね』

「わざわざありがとうございます」

「で、土産はありがてぇーけどなんかあんだろ？」

『察しが良いね、取り敢えず甚爾と待ってて』

「「「はい？」」」


私はこれから大事な話し合いがあるんだ、
仕方あるまい。

仲良くなるのは無理でも、
一緒にいれば印象も変わる筈。

今日は夜蛾さんがいると聞いて来た。

連続した長時間の移動で疲れていたが、
気にしてもいられない。


『失礼します、夜蛾さん
　単刀直入に、甚爾の件は考えて頂けました？』

「それはまぁ、検討したよ」

『やっぱり問題は上ですか？
　あんな高貴高齢者達、
　さっさと老害ホームに入れれば良いのに』

「…お前は悟みたいな事を言うな」

『それは心外ですね』


甚爾の件。

特別講師として雇ってくれないかという話だ。

このまま殺しをするのは、“術師殺し”でいるのだけは
とても嫌だった。

我儘であり、私のエゴなのだ。


『どうしても、ダメですかね』

「知っていると思うが、一応俺が次の学長に
　なれそうなんだ
　そうすれば今よりは上に掛け合える」

『じゃあ秘密に独断では？』

「俺の顔を潰す気か」


冗談ですって。


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