甚爾は私の弟ですが【呪術廻戦】

「No.22」『部屋について』 ページ22

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『はぁ…』

「どうしました、Aさん
　何か良い事でもあったんですか？」

『アロハ姿の君に言ってもらいたい台詞TOP999に
　入ってるかも知れないですね』

「酔ってるんですか？」

『はい』

「即答…
　あぁ、悟おかえり」

「ただいま…何でAがここにいんだよ」


ここ、即ち私が夜飲みをしている場所は
宿泊している施設の部屋だった。

部屋は男女で分けたのだが、
眠っている理子ちゃん達の横で飲む勇気は無かった。

1人は慣れているけど、人の温もりを感じたかった。


『理子ちゃん達、もう寝てたから
　私はこっちで寝る事にしました』

「それで良いんですか…」

『良いの良いの
　ねぇ、五条くん
　いつまでそうしてるつもりなの？』

「あ？」

『明日に備えてもう解きな
　大丈夫、理子ちゃんいる方の部屋には
　ちょっとした術を施しておいたから』


嘘だ。

そんな術など知らない。

だけど、それよりも
五条くんの体力と呪力が心配だったから。


「…あっそ、じゃあ解きますね
　とはなんねーよ！！」


引っかかってはくれなかった。


『夏油くんからも何とか言ってよー』

「そうだね
　悟、明日空港で甘いものをAさんが
　奢ってくれるそうだ、良かったね」

「マジで！！？？」

『夏油くん、許すまじ』

「おやおやAさん
　何か良い事でもありましたか？」

『その台詞、多用すれば良いってもんでもないから』


なぜ御三家の1つである五条家の坊に
奢らねばならぬのだろうか。

…人の事が言えなかった、
禪院家も御三家の1つだった。


『良い事なんて、あるもんか』


「んでAさ
　俺らも寝るんでさっさと準備手伝えよ」

『はにゃ、何でよ』

「俺らの部屋で寝させてもらう人の態度じゃねーな」

『良いんだけどさ、その前にちょっとだけ』

「何だよ？」

『……よっし、じゃあ枕投げ大会を！』

「おっし…」

「悟、Aさん、何しに来たか覚えてる？」


夏油くんはしっかりしていた。


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