おはよう ページ50
残りの一体は、2人の攻撃で散った。
桜「やった!さすが竜にいと蘭ねえ!」
蘭
「目覚めがこれなのは、中々きついわね〜(ﾊｱ､)」
興奮する桜に、疲れたような蘭。そんなとき、
横に居た竜が蘭に声をかけた。
竜「…姉貴、良かった。また会えて。」
少し泣きそうな竜の声。目には涙の膜があった。
そんな竜を落ち着かせるように、蘭が手をそっと、頬に置いた。
蘭
「ごめんなさいね。竜。…また会えてうれしいわ」
竜「姉貴っ…!」
竜が思わず号泣しそうになった時。
桜「えーと、2人共。」
ゴホン、と桜が咳ばらいをした。
凛
「蘭さんは、こちらに。」
楓さんを、お願いします。
そう告げた凛に蘭は微笑み、楓に近づいた。
傍には檀を肩で担ぐ太宰が居る。
「‥‥」
蘭は楓の傍にそっと座ると、左手で背中を抱えて、
右手で頭を撫でた。
「…楓、私よ。蘭よ。…ごめんねさい。置いて逝ってしまって。
でももう、そんなことはしない。約束するわ。桃はまだいないけど…
今度こそは今世で、もっとはしゃぎましょう…?あの時、あの場所で
約束した事、果たしましょう…?」
そう言いながら楓の頭を撫でる蘭。あの時、あの場所。
蘭が死ぬ9日前のこと。海へ行って。交わした約束。
蘭が目を閉じ、こぼした一滴の涙が、楓の瞼に落ちた。すると…
「…そうだな。蘭。もう、置いて逝くなよ…置いて逝かれるのは、慣れないんだからな…」
蘭がハッとして目を開けると、蘭の涙をぬぐうように、そっと頬に触れた、
目を開けた楓の姿があった。
蘭
「楓…!」
楓
「桃は、アイツは…きっと来るから。それで…」
「「「「「「楓さん/楓ねえ/楓ちゃん/お姉ちゃん/楓!!!」」」」」」
凛、桜、葵、瑛斗が楓に泣きついた。
楓
「うわあ、!」
瑛斗/葵
「「楓ー/お姉ちゃんーーー」」
いきなり弟妹に抱き着かれたことに
慌てふためいている楓を横目に、
蘭
「ふふ、楓、ちゃんとお姉ちゃんになりなさーい」
楓
「だからって鼻水をつけるな瑛斗おおお!
坂口安吾先生が来たらどうするんだよおおおお」
桜「じゃあ、行くか」
凛
「ええ、そうですね。先程彩華から連絡がありました。」
皆、私達が倒して帰ってくれるのを待って、夕飯のある
広場で待っていてくれるそうですよ。
なおさら、早く行かないとな!…おーい、皆!行くぞーーーー!
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