雪山 ページ40
吹雪が止んだ。
竜「ここは…雪山か？」
竜達のいたかまくら洞窟は、雪山の上にあった。
竜「この高さは…きつそうだな。とりあえず、二人とも下山するぞ。」
そういうと、竜は真っ先に下山を始めた。
梨奈
「ﾊｰｲ」
瑛斗
「え、あ、ちょ、まっ、、」
竜は、下山しながら、周りを見渡しました。
竜「おかしいな、あんなに吹雪いてたのに晴れるなんて。
…山の天気は変わるのは早いから、急ぐぞ。」
梨奈
「瑛斗、はやく」
瑛斗
「まっ…待っ…」
3人が中腹までおりると、誰かが歩いた跡がありました。
梨奈
「これ…」
竜「多分鉦だな。」
瑛斗
「足跡って吹雪で消えるでしょ、何で残ってるのこっわ」
竜「いや、足跡にしては深い。多分足を踏み出すたびにハマったんだな、雪の中に」
瑛斗
「馬鹿じゃん…」
梨奈
「深すぎて吹雪じゃ消えず、雪が中に入る形になったんだね…」
竜「それなら、この近くにいるかも知れないな。二人とも、気をつけろよ。」
一方その頃…
鉦
「待ってぇ…、ココ、どこー？」
ザク、ザクと雪を踏みしめて、足跡を残しかけながら歩く鉦。
竜「…あの後ろ姿は、鉦？」
瑛斗
「違うよ雪だるまだよはやく行こうよ」
梨奈
「…馬鹿なの、瑛斗」
瑛斗
「ばっっっ」
梨奈
「こんなところに雪だるまがあるわけないでしょ、
絶対誰かかが作ったんだよ」
瑛斗の耳元で梨奈がぎゃんぎゃんわめく。
瑛斗
「痛い！耳元で叫ぶな！わかったから！
どーせ作ったのは鉦なんでしょ！？」
竜「だろうな。…待て、もしかすると…」
涙目になりながら、耳を引っ張る梨奈に抵抗する瑛斗。
それをよそにｼﾞｯと雪だるまを見つめる竜。すると…
瑛斗
「な、なんだよ、言ってくれないと怖いでしょ！」
梨奈
「アンタは音量を下げなさい！」
瑛斗
「ギャーッ！鬼！悪魔ーーー！」
誰が悪魔よ！と、ｽﾊﾟｱﾝと頭をはたかれる瑛斗は、
「桃ちゃんに何で似たんだよぉ」…とこぼした。
竜「だか、今すぐ作ったならおかしくないか？雪だるまには、鼻や目も付いている。
雪玉でしてるが、数分でこんなに高くはできないだろ。」
瑛斗
「…あ、ていうか、鉦って雪だるま作ったことあるっけ」
梨奈
「はあ？あるわよ、ただノースリーブで駆け回るあんの馬鹿は、
雪だるま作る時だけ屋内だったけどね。自作らしいのは見せてもらった」
瑛斗
「うっそ聞いてない」
梨奈
「アンタは学校だった」
瑛斗
「うぐっ」
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