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ーー…
「天城、行くぞ」
授業は難なく進み、時刻は放課後に移り変わった。既に荷物をまとめ終わってる浅野君が振り返る。
私は慌てて返事をし、荷物を片付けた。
まとめ終わりさぁ行くぞ。となったところで視線を感じる。
佐々木さんかな? と思ったが、彼女の視線は赤羽君に向けられている。その赤羽君の視線が…………あ、コッチ見てる……。そっか、今のは赤羽君だったんだ。
私はサッと視線を逸らし、浅野君の影に隠れる様にして教室の入口に向かう。
「…………Aさん」
「は、はいっ……!」
何時もより低い声で名前を呼ばれ、思わずその場に硬直。しかもキッチリ返事しちゃった。
私はぎこちなく首を動かし、彼に目を向けた。
何時もの優しそうな目付きではなく、鋭い光に思わず体が竦む。私に構わず赤羽君は淡々と言い放った。
「浅野君と勉強すんの?」
「え、えっと……はい……」
「……ふーん……。じゃあ俺はもう教えなくても良いんだ」
「え……」
いつもと違う厳しい言い方。……もしかして、迷惑だった……?
何て答えれば良いのかわからない。
――教えて欲しいよ。途中だったし。
……でも、佐々木さんの事を考えると何も言えない。あんまり赤羽君と話してたら、後が怖い。
口を引き締め下を向く。すると横から腕を引かれた。
「天城。僕だって暇じゃない。行くぞ」
「え、あの……」
浅野君は私を腕を掴み、そのまま教室を出てしまう。だから私も、後ろ髪を引かれる思いで教室を後にした。
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サヤ - 41の 勝手にヤキモチを焼くって 勝手にヤキモチを妬くじゃ無いかな? (2017年3月26日 23時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - いちご しばらく無浮上さん» 折角自分が作る子ですからね^^わざわざ二枚もありがとうございます!!!(スマホ目の前に拝む奴) いえいえ!沢山のコメントありがとうございます!(あ、やっぱりあの時のいちご様だった……。確信持てず言い出せなくてすみませんッ)私こそ楽しかったです!! (2017年3月26日 16時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
いちご しばらく無浮上(プロフ) - 葵さん» 最後になりましたが、連没すみません。これからも応援し続けます!!また話せて嬉しかったです、さようなら|壁|・ω・`)ノシ (2017年3月26日 16時) (携帯から) (レス) id: e0d0c50734 (このIDを非表示/違反報告)
いちご しばらく無浮上(プロフ) - 葵さん» 化工無→ http://uranai.nosv.org/img/user/data/7/e/e/7ee37ebb6942c17b01183286e29d4db3.jpg 化工有→ http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/b/f/2bf2b87529754c23cf0c7a78f5b47339.jpg になります。 (2017年3月26日 16時) (携帯から) (レス) id: e0d0c50734 (このIDを非表示/違反報告)
いちご しばらく無浮上(プロフ) - 葵さん» 解ります!やっぱり、例えその場だけだろうと名前って大事ですよね。 えっ!拝んで頂けるんですか!?そんな対した絵では無いのですが…(汗 でも嬉しいので貼り付けます(( (2017年3月26日 16時) (携帯から) (レス) id: e0d0c50734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2016年10月26日 1時