〈テニプリ〉氷帝男子テニス部とオカルト大好き少女！〈ギャグホラー〉 (ページ38)

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第37話～ただいま元の世界!～ページ38

あ「うっ···」

鳳「あ、気がついた!?」

あれ···僕、何して……?

確か学校でいろいろあって、んで体育館から血塗れの女から逃げて……

そうだ。それで無事脱出出来たんだった···

あ「あ、日吉は?」

日「いるよ」

僕は声のするほうに顔を向けた

そして日吉の姿を見るとホッと息をついた

ある意味僕は日吉がいたから助かったようなものだ

そういえばしっかりとお礼を言っていなかったな

あ「日吉」

日「何?」

あ「ありがとね」

そう言うと日吉は「あぁ···」といいそっぽを向いてしまった

向「あれあれ?日吉もしかして照れてんのか～?」

日「何言ってるんですか。違いますよ」

向「うっそつけ～!」

……よし、先輩たちはほうっておいて

改めて辺りを見回してみるといつもと変わらない風景が広がっていた

こっちは裏口のほうだが人もちゃんと歩いているし車だって走っている

僕たち、ちゃんと帰ってこれたんだ···

しばらくボーッとしていると部長に声をかけられた

跡「おい、帰るぞ」

あ「はーい」

――あれ?何かがおかしい気がする···

ふと思った

なにかが、いつもあるはずのなにかがない、と

その時携帯がなった

いきなり過ぎたので体がビクッとはねてしまった

跡「なんだ。どうした」

あ「い、いやなんでもないです!」

部長に声をかけられた事にも驚いてしまい発信者を確認する事もなく電話にでた

あ「もしもし?」

『あ、やっとでたわ!自分ら今までなにしてたん!?今どこにおるん!?』

その声を聞いた瞬間時が止まった

あ「え···忍足さん?」

その名前をだすと周りの皆動きも止まった

『そやで!とりあえず電話繋がってよかったわぁ。跡部のにも岳人のにもかからんからホンマに心配したんやでぇ』

電話の向こうで忍足さんが言う。嘘だろと思い辺りを見回すが忍足さんの姿はない

おかしい。脱出したとき一緒にいたはず――いや、本当にいたか?

思い出せ。脱出したときを···

あのとき日吉と門へ走っていたとき、門の向こうには先輩たちの姿があって、そこ忍足さんも――

あ「いなかった……」

じゃあ学校で一緒にいた忍足さんは一体···?

――キーンコーンカーンコーン…

呆然と立ち尽くす僕たち

静寂に包まれたその場にチャイムの音だけがやけに大きく響いてきこえた――