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今の心象は誰にも悟られなくなかった。
特に彼女には。
僕自身まだ整理出来てない。
それに、気にして欲しくもない。
同情も憐情も要らない。
なのに話したいが、言葉が出ない。
存外、僕も面倒で臆病な奴なのだ。
否、僕「も」と言うよりは、僕「だけ」か。
結局何時もの要に叱責じみた言葉を赤羽に投げかけるしかない。
「そもそも君はAに随分最低な言葉を言った自覚はあるのか？」
「は？ 何で知って……」
赤羽と僕の視線は一瞬だけ彼女を向く。
それで察してくれる赤羽の洞察力が今は有り難い。
怒濤の勢いで早口に互いの傷を抉るが、きっと赤羽には効いてないんだろう。前からそう言う奴だった。
「――兎に角、浅野クンはもう御役御免だよ。Aは俺のだからね」
不意に言われた。とうとう直接言われたその言葉。
察していても、分かっていても、いざ口にされると息が詰まる。
赤羽にされるがまま動揺してるAと目が合った。
余程、彼女の手を掴もうかと思ったが。
あぁ、目が合うだけでもう君の思考が大分読めるようになってしまったな。
随分長い付き合いだったみたいだ。
君が、僕に随喜を感じているのなら。
君が、今幸せならば。
「――A、そいつが嫌になったら何時でもここに来い。また慰めてやるぞ」
僕は、君が望む良き相談相手のままで。
「A」
「……はい」
「良かったな」
だから、どうか今の僕だけは見ないでくれないか。
“友達”でいる為の僕の切望だから。
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いちごみるく - こんにちは。コメ失礼します…凄く良いお話ですね！（名前）ちゃんが好きだけど想いを伝えられない○○くん。みたいなストーリーが凄く好きなので…！他の作品も頑張ってください！ (2022年4月17日 7時) (
レス) @page16 id: 62bd40b07f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵
| 作者ホームページ：https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時：2020年7月17日 0時
