一歩前。2【平野紫耀】

83 ページ36

【1年後】









手術、リハビリ、というのはすぐに終わるもの

ではないらしく









廉が帰って来たのは3年生2学期の始まり









修学旅行の終わりから1年も経っていた









なんだか紫耀も私も早く目が覚めて、学校に早

めに着けば、今まで空席だった席が埋まってい

て









『…廉？』









おう、久しぶりやな









彼が見せた笑顔は、清々しくて人懐こい









私たちが随分と長く待っていた彼らしい笑顔だ

った









『おかえり』









廉「ただいま」









どこかにあったぬぐいきれない喪失感が埋まっ

てなくなった気がした









「れーーーん‼」









落ち着いた再会、というのは紫耀がいる限り絶

対に出来ないようで









大粒の涙をこぼしながら廉へ突進して行った









ぐえっ、と変な声を出しつつもあのゴリラをち

ゃんと抱きしめ返す廉









ちゃんと約束守ってたよ、私も紫耀も









紫耀越しに微笑んでくれて、私も涙が止まらな

かった









またこの4人で(今は唯香いないけど)









同じ時を過ごせるんだ









そう思うと、とても嬉しかった









飛「姉ちゃん、紫耀くん！」









そうそう、実は









私の可愛い弟、飛貴も今年から私たちの高校に

入学して









今や私たちのいつメンの一人になりつつある









もうすぐ受験でみんなバタバタしちゃうけど









また、みんなで笑い合いたい







.









私の願いは、それだけ

84→←作者です

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す