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第十九話 ページ26

『き、きゃーっ!?』


うじゃうじゃと気色の悪い呪霊が犇めき合っていた。


『わ、私!手加減なんてしないわよ!』


バッと刀を抜いて、あの日のように力を入れるとやはり長くなった刀をとりあえず我武者羅に振り回す。


…が全然数が減らない。


『多いわっ!!』


長い間、ふわふわと体を軽やかにしならせ攻撃を避けるも、次から次へと襲いかかってくる。


『ちょっと君達!おイタが過ぎるわよ!』


壁に足をつけて踏み込み、さらに体を大きくしならせる。


かなりの間、かなり型を使っていたからか、肺が変な音をたてて、心臓が大きく跳ね上がり、耳から飛び出そうな勢いだった。


ぐわっと体が揺れる様な感覚の後、体力的に最後になるであろう型を繰り出す為、呼吸を整えて、声高らかに言った


『 恋の呼吸 陸ノ型 猫足恋風っ!』


鞭のような刀で連続的に呪霊を斬りつける。


『お、終わりかしら…?』ハァッハァッ…


辺りに呪霊がいなくなったことに安心をしたからか、甘露寺はバタリと後ろへ力なく倒れた。


意識を飛ばすその直前、誰かが駆け寄ってきた気がするが、甘露寺には誰なのか分からなかった。


_____________


『…っは!!!』ガバッ


甘露寺が目を覚ますと、そこは高専で、身体中包帯でぐるぐるだった。


『私、生きてる…!よかったあああ…!』


ポロポロと涙を零しながら、甘露寺は辺りを見渡す


『だ、誰もいないのかしら…?』


その時、甘露寺の近くにある扉が音を立てて開けられた。


「…!甘露寺…!」


『ふ、伏黒くん!無事だったのね!良かった…!』


「甘露寺…痛い所は無いか?だいぶやられてたから、しんどい時は早く言ってくれ。」


流れる様な動作で甘露寺のベッド近くの椅子に座ると心配故か捲し立てる


『だ、大丈夫!(伏黒くん…!私を心配してくれてるのねっ…!優しい!かっこいいわっ!)』


「そうか。良かった…!」


少し顔を綻ばせた後、その顔を引き締めて少し低い声色で、あの場所で何が起こったのか、悠仁や野薔薇がどうなったのかを事細かに話した。




『そ、そんな…!悠仁くん…っ!』ボロボロ


甘露寺は泣く。


大切な幼馴染の死を受け止めきれなかったから。


長年自分に寄り添ってくれて、髪色も沢山食べる事も力が強い体質も、全て受け入れて快活に笑ってくれた。甘露寺にとっては特別な人だった。


伏黒は静かに泣き続ける甘露寺の頭を抱き寄せ、ただ何も言わずに撫でていた。

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sou(プロフ) - 夏油さんが闇落ちしていない世界観!!とっても幸せです!そして蜜璃ちゃんとの双子っていう設定がもう勝利すぎて可愛いです!!♡ (2022年1月29日 19時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イナアレオリ - 良かった傑様闇落ちしてなくって安心しました神様仏様ありがとうございます (2021年7月11日 15時) (レス) id: f4313b7def (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - とても面白かったです 更新楽しみに待ってます! (2021年4月14日 5時) (レス) id: 68aa4e53df (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - ちょっとずつで、いいので更新頑張ってください。私はずっとあなたの更新待ってますから。体にも気をつけて頑張ってください。(・∀~)♭ (2021年4月4日 12時) (レス) id: c3188baa62 (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロベビー(プロフ) - ラッキーさん» わあい!!嬉しいです!!これはご期待にそわなければ!!!!(必死) (2021年3月4日 20時) (レス) id: 875c9450d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マシュマロベビー | 作成日時:2020年12月11日 21時

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