最後の最後 ページ38
＊
X『休憩？』
『あ、はい。....じゃあ。失礼します...』
X『Aちゃん！』
受け取った缶を握りしめると、従業員入り口のある裏通路へ入った。
だめ。
今振り返るのは.....
また同じ事になる、苦しいのはもう嫌だ。
ガコン。
左手に握られた紅茶の缶は、鈍い音を立ててコンクリートに落下。
コロコロ転がる缶は、今の私の心境そのもの。
X『待って.....』
『ミンソクさん。私、仕事中なんです。』
X『今、休憩中でしょ。』
『ち、違います！！』
X『うんって言ったじゃん....』
何、このやり取り。
辛くて悲しいのに.......
笑えてくる。
『何で来たん....ですか。』
X『ちゃんと話したくて。』
忙しい時間をさいて、わざわざ来なくても言ったりしないよ？
ミンソクさんが私の家に出入りしてたのなんか
言うわけない。
口止めなんて必要ない。
『今から新刊ださなきゃなんです....』
X『....そっか....』
だからこれが最後の最後。
ちゃんとさよならを言ってなかったから、これが最後。
『終わってからでも....いいですか。』
じゃあ待ってるね。
そう言って掴んだままだった手を離したミンソクさん。
自分に甘いな....私。
でもちゃんと、最後にする。
最後だから....さよならは自分の口から伝えたい。
ハル「お前休憩は？？？」
『ハル.....バカ！！』
ハル「えぇ！！」
ハルは知ってたんだ、きっと
ミンソクさんが店の外にいるって。
だから奢ってまで無理矢理休憩に行かせようとした
ハル「バカはお前だ。」
『うるさいわ！！』
ハル「お前がな。」
いつでも年上扱いしないし、憎まれ口。
だけど優しいハル。
それから私を好きだって言ってくれた....ハル。
『.....ありがとう...ハル。』
おかげで、ちゃんとさよならが言える。
ちゃんと目を見て....言えるよ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1926人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にに(プロフ) - しうちゃん…好き←しうちゃんのものになります← (2015年10月10日 4時) (
レス) id: 64f947eed1 (このIDを非表示/違反報告)
めいちぇん(プロフ) - もかんちょさん» もかんちょさん。コメントありがとうございます！にょるくんですか！！ランキングは何番だったかな？上位だったと思うので待っててくださいね！ (2014年12月21日 21時) (レス) id: 4574dc3024 (このIDを非表示/違反報告)
もかんちょ(プロフ) - 今は ちゃにょる ぺんです ！ おお 、 期待して待ってます w (2014年12月15日 16時) (レス) id: 5c5be107df (このIDを非表示/違反報告)
めいちぇん(プロフ) - ミホさん» ミホさん。コメントありがとうございます(^^)今の所予定はないのですが、あと9人分書く予定なんです。希望が多ければ番外編もありですね！！ (2014年12月13日 2時) (レス) id: 4574dc3024 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - はじめまして、夜遅くにコメントすみません。いつも読ませてもらってました！終わってしまうのが本当に残念です(T ^ T)時間など大丈夫でしたらまたこの作品のシウの番外編をかいてください♪ (2014年12月13日 1時) (レス) id: c22918b2d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めいちぇん
| 作成日時：2014年11月2日 16時
