弱さゆえの醜態 ページ3
Aが蝶屋敷につく頃には、すでに夜が明けていた。
時間が足りず、カナエを前に抱き日の光をさえぎるように前のめりの姿勢で走っていたAは、ついた頃には酷く焼けていた。
そして、夜以外の任務および活動を許されていないため、まだ残る暴力的な柱に手足を切り落とされて拘束。
牢屋へ打ち込まれた。
A「しばらく治らないな。日に当たって体力を消耗し過ぎたか」
Aがそんな事を呟けば...
煉獄「俺は初めて君の声を聞いたぞ!鬼柱少女!」
天元「問題はそこじゃねぇだろ...。しかし、派手に手足を落とされてるな...」
あぁ、またこいつらか。とため息をつきたくなった。
そんなに私を見て楽しいのか?と思わず聞きたくなるA。
顔を歪めるAに「鬼柱少女でもそんなに苦い顔をするのだな!よもやよもやだな!」と煉獄が笑った。
天元「無自覚に派手に煽るな煉獄...。そうだ...。どら焼きあるけどいるか?」
私は怒っているように見られているのか。これこそよもやよもやだ...と心の中で思うA。
A(と言うかこいつら...)
煉獄「どうだ!団子に、カステラと言う洋菓子もある!!」
天元「カステラか。随分と珍しいもん持ってるな。一口くれ」
A(私を餌付けしようとしているのか?この上弦ノ零と恐れられた私を)
本当に苦い顔をしたAに思わず...
煉獄「鬼柱少女!もしかして1切れ目は鬼柱少女が食べたいのか!?そうかそうか!」
天元「何というか...物凄く人間味があるよな。鬼柱は」
人間味...ね?とため息をつくA。
A「不覚...」
煉獄「おぉ!喋ったな!」
天元「あ、あぁ。喋ったな」
この日は、非番だった煉獄と天元は長い間血の匂いと鬼の匂いが酷く香る牢屋の中でAが退屈しないようどんちゃん騒ぎを繰り返したそう...
気づけば夜になっていた...
A「今日の任務は無理だな」
そう呟けば煉獄や天元は悲しそうな顔をした。
煉獄「同じ柱として...。この暴挙を見逃すわけにはいかない。だが、力及ばず...すまない」
天元「全くだ...」
何故この2人が謝るのかよくわからず矢張り人間はよくわからないと考えるA。
A「弱い生き物はいつの時代も群れる。無意味な暴力は弱さゆえの醜態だ。それに」
そう言うと無理やり手足をはやしたA。
A「あの柱達はすぐ死ぬ。私を傷つければあの方が黙っていないからな。ほら、見てみろ...」
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ZERO(プロフ) - めっちゃこの作品好きです!これからも頑張ってください! (2020年12月29日 18時) (レス) id: 1263adbeae (このIDを非表示/違反報告)
たんこぶ - ああぁぁ…この作品ドストライクすぎてヤバイ…好き…高評価一回じゃ足りない…! (2019年9月1日 1時) (レス) id: abf8cccd28 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - いえいえ!こんな素晴らしい作品を読めるなんて私は幸せ者です!応援しています! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 初コメ失礼します!すごく面白くて好きです!これからも頑張ってください! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2019年8月19日 13時