多くの迷い ページ16
蜜璃「Aさん!Aちゃんって呼んでもいい!?」
ある時。蜜璃はAにそう言ったそうだ。
するとAは、
A「いいけど。なにそれ?」
不思議そうに首を傾げた。
蜜璃「えっと、親しい人や仲良くなりたい人につける...さん付を崩した感じのやつ!ほら、煉獄さんのA少女!って呼ぶのと似たようなものだよ!」
その時は「私と親しいの?それとも仲良くなりたいの?どっちにしろモノ好きだ」なんて返したAだが思い出してよかったと今は思った。
A「不死川ちゃん...待って」
そう少し遠くを歩く実弥に叫んだ。
すると、
実弥「誰が不死川ちゃんだゴラ!!しばき倒すぞ!!」
なんて言って止まる実弥。
フラフラしながら歩いているのが分かるAに気を使ったのだ。
A「私は。鬼だ」
実弥の近くまで行けばとても真剣な表情でAは言った。
だが...
実弥「わかるに決まってんだろ。そんなに鬼の気配出してりゃよ...。分かってて切りかからなかった。そんだけだ」
自分では気づいていないのだろう。
とても悲しそうな顔をしているのにAをしっかり見てそう言ったのだ。
A「そんなに嫌なのに...」
実弥「なっ!お前!!」
Aは気づけば体が動いていた。
A「ほら。しっかり握れ。一振りで首を飛ばせるだろ?」
Aは実弥の持っていた刀の鞘に手をかけると、流れるような動作で実弥の手に刀を握らせ、それを自分の首元へと誘導した。
この時。実弥の頭の中には色々な感情が渦巻いた。
実の母親を鬼にされた怒り。
母親が家族を殺していったときの悲しみ。
そして、その母親を殺してしまったときの何とも言えない濁った感情が。
けれど...
ーー
蜜璃「鬼柱?...あぁ、Aちゃん!とても可愛い子なの!それから、時々面白いし!」
ーー
煉獄「あぁ、A少女か。不思議な子だがとても優しい子だ。今は色々と。自分の中で踏ん切りを付けて頑張っているところでな。応援してやってくれ」
ーー
カナエ「Aさん?Aさんは命の恩人でもあり、今は妹みたいに大切な存在で...」
しのぶ「どちらかといえば姉さんよりもAさんのほうがお姉さんでは?」
カナエ「し、しのぶ!!」
ーー
お館様「上弦ノ零。そう呼ばれるあの子は、Aは、頑張り屋で、少し口下手で。でも本当は優しくて頼りになる。実弥の知る鬼では、きっとないはずだよ」
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ZERO(プロフ) - めっちゃこの作品好きです!これからも頑張ってください! (2020年12月29日 18時) (レス) id: 1263adbeae (このIDを非表示/違反報告)
たんこぶ - ああぁぁ…この作品ドストライクすぎてヤバイ…好き…高評価一回じゃ足りない…! (2019年9月1日 1時) (レス) id: abf8cccd28 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - いえいえ!こんな素晴らしい作品を読めるなんて私は幸せ者です!応援しています! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 初コメ失礼します!すごく面白くて好きです!これからも頑張ってください! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2019年8月19日 13時