シスコンではなく姉想い【禪院 直哉】

誇り ページ12

直哉side

間一髪で攻撃を避けたものの、姉さんが操られてる？
あの鎖か？

直哉「真希ちゃん真依ちゃん連れて外でて！」

真希「真依連れて外出たら戻る」

姉さんと手合わせなら何度もした。
でも、こんな本気の戦いをしたのは、高専以来...
姉さんが東京校行くなら俺は京都校行くって意地張って行って、姉妹校交流会で戦った時。

直哉「姉さん、あんとき俺言ったこと訂正するわ」

ー父さんと同じ術式。だから禪院A。あんたに追いつけないー

直哉「もう、Aに憧れるは辞める。今Aを越えないと俺は一生後悔する」

柊直弥。
知ってる。
家の集まりでいつも姉さんを見とった。

直弥「私達の愛に勝てますかね？」

ーなんやあの男姉さんを見とるやろ。あの目ほじくり出して二度と姉さんのご尊顔見れへんようにしたろうかゴラァー

※ある日、神様は君たちと出会った。
【★人間としての生を受ける】より

姉さんは気づいてなかった。
でも、ずっと前から見てた。

こんな小物、姉さんの害にもならんと思って放っといた。
それがこんな形で...

姉さんは普段は手加減をしてくれていたのが嫌でも分かる。
全力の姉さん相手にどれだけ持つか...

姉さんの首の鎖を！！

ｶｼｬｰﾝ

真希「切ったぞ！！」

真希ちゃん！

戻って来た真希ちゃんはいつの間にか背後をとっていた。
やった！これで！

ﾄﾞｺｰﾝ

は？

真希「直哉！立て！！」

鎖を断っても姉さんは止まらなかった。
姉さんの一撃をくらって壁に打ち付けられればすぐ二撃目が襲った。

直弥「鎖は僕がAさんを制御してただけ。闇落ちっていうのかな？勝手に壊れたのはAさんだよ！」

眩しいくらいの笑顔で言われた。

姉さんが？

どうして？
その言葉は出なかった。
思い当たる節はいくらでもあったから。

直弥「殺してあげなよ。じゃなきゃ誇り高い禪院Aが汚れちゃうよ？」

そうか。
誇りだったんだ。

姉さんはいくら酷いことを言われても、仕打ちを受けたって何も言わなかったのは、禪院家に生まれた事で沢山の人を助けられたから。

俺や真希ちゃん、真依ちゃん、
悟君、硝子ちゃん、傑君。
他にも沢山。

だから俺みたいに家を出んかった。
だから今でも家に従ってた。

前に言ってた。
姉さんが当主になったら、みんなが帰ってこられるような家にしたいって。

誇りか...

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