空っぽ ページ9
※これから先のお話は、神様シリーズを呼んでいないと理解が難しくなっています。設定には書いていませんが、神様シリーズを簡潔に言えば、
神様だったAは人々の願いに対して「がんばれ」と背中を押してあげる事が仕事であった。そんな中で出会ったさしす組や後輩たちの悲痛な運命を変えてあげたくて過去に戻り運命を変えていく物語です。
ある日、神様は君たちと出会った。
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ioriren0711/
ーー
Aside
直弥「お話を伺ったところびっくりしましたよ。狂ったように強い貴方の術式を引き継いだ子供は四億、男の子なら更に二億も積んでくださるそうです。女の子でも同様、貴方の術式を引き継ぐだけでお金になります。それに、実質私が次の当主っていう事になりますし!あの、禪院家ですよ!?」
そう話す直弥は狂ったような笑顔を浮かべていた。
ニッコリではなく、ニタニタという効果音が似合う。
私は、売られたのか?
いくら、腐った家でも...売るなんて...
私は信じられない話の数々に空いた口が塞がらなかった。
直弥「ほら。禪院家の家紋と当主のサインです。呪力を込めて書かれているので見間違うはずありませんよね?」
私の淡い期待は砕かれた。
もしかしたらこの人が嘘を言っているだけなのではと。
でも見間違うはずがない。
これはどう見たって、私の父、禪院直毘人の筆跡であり呪力だった。
直弥「話聞いたら、Aさん。実のお子さんではないんですよね?非術師の家庭に生まれたと伺いましたし。哀れですね!今まで次期当主だって育てられて、家のために術師になって特級まで上り詰めたのに、ただ世継ぎを産むだけの道具になった気持ち、どんなですか?」
こんな事、考えてはいけないと思ってた。
絶対に考えてはいけないと。
でも、もうそれも無理みたいだ。
私は産まれた家いや、育った家を間違えた。
みんなを助けるなんて立派な目標掲げて見ないふり、見えないふりをしてた。
だってそうしないと、正気じゃいられなかった。
虐げられた幼少期だった。
誰にも認められることのない幼少期だった。
同じ世代、同じ家の人とも関わった事がない、空っぽな幼少期だった。
高専に入ればきっと優しい悟や硝子、傑達は私を認めてくれると思った。
見てくれると思った。
でも高専を一歩出ればまた同じ。
ごめん...
ごめん、みんな。
許してほしい...
私は一瞬だけ思ってしまったんだ。
私は、生れて来なければよかった...
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くろごま - パパ黒さんオチ書けますかね?頑張って下さい!更新待ってます! (2022年9月25日 6時) (レス) @page32 id: e1480415d9 (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ祓 雪溶(プロフ) - 悠仁オチ、受け入れありがとうございます!!欲しいシチュ色々考えておきますね!o(≧ꇴ≦*)o (2022年3月27日 12時) (レス) @page32 id: 6c81b19a7a (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ祓 雪溶(プロフ) - 完結おめでとうございます!次のオチ、リクエストは虎杖悠仁とかありですか?o(≧ꇴ≦*)oもし可能でしたらお願いしたいです。 (2022年3月22日 19時) (レス) @page31 id: 6c81b19a7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2022年2月23日 21時