結婚を前提に友達から始めよ？ Ⅲ 【呪術廻戦】 (ページ9)

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天井ページ9

Aside

車の中。
虎杖の遺体はトランクに入れるのはあまりにも可哀想で伏黒と私の膝に乗せた。

伏黒を見れば窓の外を見ているが寂しそうな背中。

ごめんね...早く来られなくて...
痛かったよね...怖かったよね。

夏油や五条はきっと怒るだろうな。
釘﨑はどこにいるのかは分からないけど、聞いたら泣くのかな。
伏黒(父)さんは伏黒(息子)が凹んでるのを見てため息をついていそう。

A「君も私を助けてくれた一人なのにね...」

まだ、1度や2度あった程度の人間のために全力になれる子。

術師には珍しい...

恵「虎杖は...長生きしろって言ってました。みんなに...」

長生き...か。

A「私でさえ明日あるか分からない命だから。でも...」

1日でも長く生きようって改めて思えた。

車を降りるときに伏黒は疲れているだろうから私が虎杖を横抱きにして運んだ。
安置所まで運べば近くの椅子に腰掛ける。
伏黒の治療が終われば家入がくる。

宿儺は私のは母の恩人で、それでも祓うべき存在。
私はあのとき、どうすべきだったのだろう。

天井を見上げ目を瞑る。
それでも答えは出なかった。

しばらくすれば隣に誰かが座った。

悟「A、休んできな」

「疲れてるんだよ。Aは、何も悪くない」そう五条が肩を叩いた。
悪く、ないか。

本当に、そうなのだろうか。

A「ありがとう...」

それだけ言って私はその場を離れた。

傑「A、大丈...夫ではなさそうだ。送ろうか？」

硝子「夏油、今はそっとしといてやれ。AにはAなりの葛藤があるんだろう」

A「ごめん」

誰も私を責めてはくれない。
その事実が、胸に刺さった。

私は彼らより10年以上長く生きてて、
10年以上術師をやってる。
特級術師で、
学生時代の名残で未だに私を五条より強いと評価する人間もいる。

あの場で、
1年の子たちよりも、誰よりも虎杖を助けられた状況で、
私情で躊躇った。

A「術師、向いてないのかもな...」

自販機のベンチに座りまた目を瞑る。

ﾋﾟﾄｯ

A「っ！？」

雄「はじめまして！在学中はお会い出来ませんでしたが！1個下の後輩の灰原雄です！」

建人「はぁ、灰原...。貴方が術師に向いてないなら他の誰も術師に向いてる人なんていないでしょう...」

頬に冷たい感覚で目を開ければ黒髪の男と、七海だった。