最強で純粋な我らが坊っちゃん Ⅱ【呪術廻戦】 (ページ17)

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笑顔ページ17

Aside

悟「なるほど。妖狐の呪い...妖狐ってあの両面宿儺の使い魔って言われてたのだよね？」

そう私を見る五条に頷く。

宿儺「あやつは弱いが小賢しい。お前の無下限は効かんぞ...ｹﾋｯ」

すると何やら虎杖を見て私と父さん以外が話をしていた。
残念ながら呪力皆無の私には呪霊は見えないし、父さんも呪具がないと見えない側の人間なので仕方がない。

悟「そうだね。僕一人じゃ負けちゃうかもね〜」

そんな呑気なことを突然言い出す。

悟「僕、一人ならね」

高専時代のような無邪気な笑みを浮かべて私を見る。

辰彦「待ってくれ！挑むというのか？A、やめなさい。もういいんだ！」

そんな五条の姿を見た父さんは慌てて止めに入った。

サッとこちらに手を伸ばす五条に、1年生3人は緊張した面持ち。

A「五条...負けたら...呪術界の情勢が大きく変わる。五条家だけの問題じゃなくなる。噂にしか聞いたことはなかったけど、宿儺の器である虎杖や禪院の相伝をもつ恵は間違いなく五条がいなくなれば立場が危うい」

「それも含めて、勝算はあるの？」そう言って手を取るのをためらった。
本来なら、私が一人で挑むはずだった。
誰にも迷惑をかけず、死ぬときは一人でよかった。

悟「なに、ビビってんの？お前が一緒で負けるイメージなんて、アイツ(伏黒甚爾)と戦ったときでさえできなかった。勝つよ」

「まぁ、あのときは負けたけど」とおかしそうに笑う。

A「そうだね...地獄までお供するのは勘弁してほしいけど」ﾌﾌｯ

私達はよく笑うようになった。
大人になったんだ。

でも...

悟「僕と地獄を旅するの嫌？」

A「まさか。楽しい旅になりそう」

以前よりずっとその笑顔の意味を理解していた。

「する？」そう結婚の話をしたときには分かっていた。

11年も合わなかったのに、それでもずっと...

辰彦「A...」

今にも泣きそうな顔で見る父さんに笑いかけた。

A「兄さんや姉さんたちには何も言わないで。必ず勝ってくるから、お誕生会...準備して待ってて」

使用人達が今日、伏黒一家とそのお友達もと呼んだのは他でもない。
私の誕生会のためだ。

母さんがあの日、ボロボロで帰ってきた日から...私の誕生日は祝わなくなった。
もちろん、使用人達や家族はみんな祝おうとしてくれたけど。

私の中で誕生日は来るたびに妖狐へ挑むため制服に袖を通していた両親を思い出す最悪の日。
やっと祝ってもらえる日が来るんだ。