最強で純粋な我らが坊っちゃん Ⅱ【呪術廻戦】 (ページ16)

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過去③ ページ16

NOside

一命をとりとめた雪乃は、呪霊に五感を奪われ片腕も切り落とされていた。極めつけは呪術界最強とまで言われた呪力量と術式も奪われた。

辰彦と雪乃は妖狐に敗北した。
辰彦は、幼い子どもたちには母親が必要だと雪乃を必死で逃がそうとした。
そして、雪乃は自分を変えてくれ、幸せをくれ、愛してくれた辰彦はきっと子どもたちにも沢山の幸せをもたらしてくれると信じて辰彦を逃がそうとした。

そんな姿に、妖狐は気まぐれに提案をした。
妖狐の術をどちらか片方が受けきることができれば見逃してやると。

結界術すら使えない辰彦が術を受けきるのは不可能に近い。
そう押し切る形で雪乃が代わりとなって術を受けきり逃げられたのであった。

5歳前後の少年少女たちにとってはあまりにも残酷な現実。
他の兄弟たちがわんわん泣く中Aは一人だけ涙を流さなかった。

A「わたしが...たおす...わたしが...みんなをまもる...」

この頃からだ。
Aは血の滲むような鍛錬を始めた。
両親をあんな目に合わせた妖狐を許さない。
自分や兄弟たちに呪いを刻んだ妖狐を許さない。
許さない許さない許さない許さない。

祓ってやる。

そう妖狐を祓うという使命を心に刻んだのだった。

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甚爾side

姉貴が高専を出てすぐに行方不明になった。
でも、俺はそれを聞いてホッとした。

俺に唯一関わってくれた人間で、たった一人の家族だったからだ。

甚爾「姉貴...今日は調子よさそうだな。外散歩でもするか？」

俺が禪院家を出る頃には姉貴は死んだって言われてた。

津美紀「お父さん、使用人さんに借りて車椅子持ってきたよ！」

それでも、生きていることを信じて俺は外へ出た。

Aと初めて会ったとき、姉貴が生きてる事も知って会いたくなったんだよ。
照れくさくて言わねぇけどな。

甚爾「あぁ、さんきゅー。体起こすからこっち持ってきてくれ」

津美紀「うん！」

会った時、嬉しさよりも先に腹の底から湧き上がった怒りを沈めるのが大変だった。

あんなに綺麗だった姉貴を...こんなに傷物にしたやつはぶっ殺してやる...

津美紀「わぁ！！お父さん見て！雪乃さんの頭に花ビラが！」

襖を開け車椅子を押して歩けば外から入ってきた花ビラが姉貴の頭に乗った。

姉貴、さっさと元気になれよ...
元気になってデッカくなった娘息子を見てやれよ...
んで、津美紀と恵も紹介する。

甚爾「綺麗だな」

津美紀「うん！」

そんな会話をして車椅子を押した。