最強で純粋な我らが坊っちゃん Ⅱ【呪術廻戦】 (ページ14)

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過去① ページ14

※オリジナル登場人物アリ※

NOside

これは、特級術師である藤宮Aが産まれる前のお話。

雪乃「ザコばっか」

高専2年夏、姉妹校交流会。
真っ白な制服に見を包む女。
名を禪院雪乃(ゆきの)。
現代最強の術師であり女でありながら次期禪院家当主。
何もかもが彼女の前では無意味。
術式も体術も誰一人叶うものはいなかった。

辰彦(たつひこ)「まだ、、、負けて、ない...ッ！！」

そしてその彼女の足元でボロボロで転がっているのが藤宮辰彦。後のAの父である。
気弱な性格、貧弱な体。しかし、貧弱に見える肉体からは考えられないほどの力。雪乃は、自身の弟である甚爾を連想させるその体術に恵まれた才能を目の当たりにした。

雪乃「いいえ。負けだわ」

冷たくそう言い放つタイミングで試合終了が告げられ、2日目の個人戦、1日目の団体戦共に東京校の負けで幕を閉じた。

2人の第一印象は、雪乃にとっての辰彦は周りと何ら変わりないザコ。辰彦にとっては憧れの対象であった。

当時4級であった辰彦、特級昇格審議中だった雪乃だがその一年後、驚くべき成長を遂げた辰彦によって特級への昇格を先を越された上に3年で行われた姉妹校交流会での個人戦では僅差で雪乃は敗北した。

次第に一強だった雪乃(禪院家)についで辰彦(藤宮家)の名前も上がるようになり、日に日に雪乃の禪院家での肩身が狭くなっていった。

4年にもなる頃には、当主としてではなく女(子を産む道具)として禪院家で仕えることが決まるほどに落ちていた。

次期当主と言われていた頃からプライドが高く、誰が見ても禪院の人間とわかるほど傲慢であった雪乃だが、今更女(子を産む道具)として扱われる事は自身のプライドが許さなかった。

雪乃「私を...娶りなさいよ...。貴方が私を落ちぶれさせたのだから責任を取りなさい...」

高専卒業間際。
そう辰彦に縋ったのが雪乃の人生で最初にプライドを曲げた出来事だった。

辰彦「は、へ？///僕が...娶る...?君を？///」

特級になろうとも控えめで推しに弱い性格は変わらず、軽くその話を受けた辰彦。

辰彦「僕ができる限り、君のために精一杯生きて幸せにします」ﾆｺｯ

それから、雪乃が辰彦に惚れるまで、そして辰彦が雪乃に惚れるまではそう時間はかからなかった。