最強で純粋な我らが坊っちゃん Ⅱ【呪術廻戦】 (ページ12)

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妖狐ページ12

※オリジナル登場人物アリ※

Aside

結婚。
その二文字を聞いて、想像した。
五条と結婚...全然イメージはわかないけど...

それでも、この先何十年でも歳を重ねていっても私が五条のもとを離れるようなことは無いと思った。

悟「急かしたりはしねぇから...」ｸﾞﾘｸﾞﾘ

私がそんなことを考えていれば甘えるように頭を擦り付けてくる姿。
愛らしいとまで感じるその仕草につい頬が緩んだ。

結局その後は全員はしゃぎ過ぎたのか爆睡し新幹線を降りる頃には寝ぼけ眼。
迎えに来た使用人に連れられ実家に帰った。

冬希(ふゆき)「おかえり、大ちゃんAちゃん」

縁側に座ってこちらを見ていたのは藤宮家長女にして藤宮家の頂点(最強)こと冬希だった。

A「ただいま」

大輝「ねえちゃんただいま！！」

使用人達が伏黒さんたち客人にそれぞれの部屋へ案内する中、珍しく次男と母さんが出てこないことに気づく。

冬希「母さんとなっちゃん(夏希)は今呪い期間中で寝込んでるよ。私もオリンピックの閉会式待たずに帰国して帰ってきたけどつい昨日まで呪いでダウンしてたし」

そっか。呪いか。

妖狐の呪い。
数カ月に一度のスパンで藤宮家の血を引くもの全員に訪れる激痛。皮膚は油をぶっかけられたような暑さと針を刺されるような激痛。
生まれたときからある呪いだからある程度来るタイミングは分かっているけど、分かっていたからと言って何かできるわけじゃない。

冬希「父さんが呼んでたからAちゃんと大ちゃん行っておいでよ。話し終わったら久々の客人を招いての宴会になるから準備手伝って」

そう言われ大ちゃんと広間に向かった。

大輝「俺さ、結婚報告したらもう家には帰ってこないと思う」

道中、大ちゃんがそんなことを言い出すのだからギョッとした。

大輝「実は、もう子供も嫁さんの腹にいるんだよ。俺のせいで呪いも引き継ぐと思う。でも...嫁さんはコッチ(呪術業界)を知らないから、知らないなら知らないままがいいと思ってさ」

その顔は、父親の顔というのか。
いつも浮かべる無邪気さではなく、穏やかな表情だった。

大輝「でも、遊びには来てくれよ？」

「なんたって俺達家族だし」と続けたのだった。

私はコクリとうなずきひときわ大きな襖の部屋の前に立った。