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覚悟 ページ16

Aside

五条とあの日部屋で別れてから、数週間ほどがたった。
顔を合わせても五条が私に反応を見せることはなくなった。
睨む訳でも、笑いかけるでもなく、ただ顔だけ見て素通り。

私がめんどくさい女過ぎて嫌われたんだなこりゃ。

自虐して軽く笑わないと、私は辛かったからそんなふうに思ってた。

更に少しして当主の付き添いで出た御三家と名家の会合で、五条と可愛らしい女性の婚約報告を聞いた。
私とは正反対。小さい背、細くて傷一つない柔らかそうな肌。

「A、胸を張りなさい。あのような小枝のような娘より、お前が最も美しい」

小声で当主である父がそう言って、背中をポンと叩いてくれた。

そうだ、私は女としての幸せはとうの昔に諦めた。
私の願いは、一族の呪いを解くんだ。

背筋が伸び、再び覚悟が決まったように深い深呼吸をした。

私は、誰よりも強くなろう。

そう拳を握る。

それから程なくして、私は1年後...2年の秋頃に海外での長期任務が決まった。
父さん直々に私に伝えたのを見る限りでは、五条と距離を取らせたいのだろう。

それからというもの、繁忙期であるのも相まって年が明け新学期が始まるまで、激務をこなし続けた。
五条を見かけるたびに思い出す苦しさも、
今となっては、ただの勘違いだったと思えるほどに何もなくなった。

硝子「あ、A」

同期とは全く話さないうちに後輩まででき、いよいよ孤独を実感してきた頃、家入に声をかけられた。

硝子「遠目でしか見なかったけど、怪我しなくなったな」ナデナデ

しゃがめ、と言われしゃがめば家入に頭を撫でられた。
久々に感じる人の温かみに、また色々な思いがこみ上げた。

硝子「強くなって怪我しなくなるのは嬉しいけどさ、Aに会えるタイミングがなくなるのは寂しいな」

目を見れば優しい目をしていた。
嘘をついているようには見えない。
だから、その優しさに甘えてしまいそうになる。

硝子「そんなに困った顔をするな。AはAの目標のために頑張ればいい。私はAをずっと見てるよ」

家入は、大人で...優しいんだな...
心が暖かくなった。

A「ありがとう...」

それだけ言えば、「例はタバコ1カートンで」と言われたので聞かなかったことにした。

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凜果(プロフ) - 続編R18お願いしたいです(;-;)読んでいてとても楽しいです😭😭頑張ってください! (2月18日 18時) (レス) @page27 id: 845a5e03c0 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 続編はR18でお願いします!😳🩵 (2月18日 7時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - はじめまして。こんばんは!いつも更新楽しみにしております。ぜひ続編はr付きで見たいです! (2月18日 1時) (レス) @page27 id: 132d199451 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2024年2月11日 15時

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