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手紙 ページ9

Aside

「A様、こちらご当主様からです」

家の前にいた使用人に手紙だけ渡された。
家入が久しぶりに学校に行った次の日、相当疲れたのか、それとも精神的なものなのかは分からないが高熱を出した。
学校は大会を控えてるから部活だけでた。
その帰りだった。

家に入ればぐっすり寝てるが酷く汗で髪がぐっしょりな家入が目に入る。

飲み物は買ってきたがもしかしたら起こしてしまうと次寝るのが大変かもしれない。
様子を見つつ、自身で起きてくるのを待った。

その間手紙を読むが、自身が家の人間に話していた今後についてを確認のため手紙をよこしたらしい。

中学に行ったのは少し外の世界や人を見てみたかったから。
卒業すれば、役人として下積みをし、やがて兄のように上層部保守派に名を連ねるようになる。
相伝の術式を持っているから、本来当主は兄が兼任する予定だったが俺がする事になりそうだし、そういう人生を送る予定だった。

硝子「せん、ぱい?」

予定だった...

A「ポ○リ買ってきた。体を起こして飲め」

俺がこの家を出たら、家入はどうする?
俺が家に来るかと誘ったのに、自分の都合でよそへ放り出すのか?

きっと、それだけじゃない感情が見え隠れした。

硝子「学校...行けばよかったのに...」

体を起こして飲めばそんなことを呟いた。

心配だから。
大切だから。

そんな言葉が口から漏れてしまえば取り返しがつかないと思った。

俺が役人になれば、一般人や高専所属の呪術師との関わりは断たなければならない。
信じていいのは上司(うえ)の言葉だけ。

幼い頃からそう育てられてきたし、そうであるべきだと思っていた。
それは後に、家族(藤宮家)を守る事にも繋がると思っていたから。

秘密厳守の腹の探り合いに弱みはいらなかったから。

何も言わずに頭を撫でればピッタリとくっついて抱きしめてきた。

硝子「風邪うつしてやる...」

そう言ってスヤスヤ寝るのだから「まじか...」とため息が漏れた。だが、自然と頬は緩んでいた。

次の日...

硝子「おーい、生きてるかー?」

A「阿呆か、今日試合だぞ。死んでられるか」

私、藤宮Aは高熱の中バスケの試合に行きました。
ちなみに家入が「高熱に負けるな」という手作りうちわを持参したことで「まじで!?向こうの主将高熱あんのにあんな化物なのかよ!?」とまた変な噂が立ちました。炎帝なんて呼ばれた日には本当に不登校になろうか考えました。

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本好き - 面白かったです。更新待ってます‼ (4月2日 22時) (レス) id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
田中たけし(プロフ) - 傑「硝子リモコン化して。ハリー○ッター見るから」←化してではなく貸してかと (2月1日 19時) (レス) @page21 id: 9d82b80c5a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼しますっ!先輩と硝子先輩の友達以上恋人未満の関係が凄く見てて楽しくて、それでいて歯がゆいです笑青春がポワポワしてるみたいです!これからも頑張って下さい! (1月6日 10時) (レス) @page8 id: 0d0f10062d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2024年1月4日 3時

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