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返事 ページ11

硝子side

A「学校、辛いか?」

先輩がバスケ部を引退してから、学校に来なくなっていった。
東京の高専に行くって聞いたけど、入学前だというのに忙しく登校日があるらしかった。

硝子「別に辛いから行かないわけじゃない」

先輩が学校に来なくなったって前のようにイジメはない。
私が不必要に周りに絡みにいかないのも原因だとは思っている。
でも、先輩がいない学校というだけでこうもつまらなくなるとは思わなかった。
先輩と出会う前は息をするようにイジメられてたし、つまらない日々も日常だったのに...

A「まぁ、行く行かないはどうでもいい。必要なのは、それを決めたのが家入であるという事実だけ」

そう言われて、少し寂しかった。
いつの間にか、先輩に特別扱いして欲しがってる自分を感じていた。

先輩は朝、そう言って家を出た。
朝出て帰ってくるのは夜中。
朝しか会えないから、余計甘えたくなった。

先輩は一体、どこで何をしてるのか。
どんな事を学んでるのか。
なんで朝は早くて帰りは夜中なのか。

心配や底しれぬ寂しさを感じた。

1日家事をして、苦手だけど料理を作って待つ。
その日中には帰ってこないから、結局先に食べて寝る。

でも、今日はたまたま先輩が夜中帰ってきて布団に入ったくらいで目が覚めた。
背を向ける先輩に抱きつけば、鼓動は早く、息が荒かった。

どうしたのかと体を起こして顔をのぞき込めば血の気が引いたような真っ青な顔。
揺すっても揺すっても目を開けない先輩に、ただ助けたいという思いで力を使った。

暴力によって傷ついた自身の体しか治したことのなかった力が、初めて誰かを治した。
だんだん息がととのう先輩に安堵した。

グイッ

鼓動も息も元通りになれば、腕を引かれすっぽりと先輩の腕の中に収まった。

私の胸に顔を埋めてため息を吐くばかり。

硝子「"A"」

そうやって名前を呼べば「ん」と小さく返事をした。

硝子「私から...離れていくな...」

先輩が、死ぬんじゃないかと思った。
そう言いかけて口を閉じた。
でも、心配だったからそんな言葉が出た。

そう言っても、先輩からの返事はない。

硝子「先輩が、どこに行こうと、私から離れていこうと...必ず見つけて治しますから...」

返事がないことに溢れた涙を抑えてそう言えば、先輩を剥がして背を向けた。

A「見つけてくれるの...待ってる」

だが、そう後ろから抱きついてきた先輩に、抑えていた涙は溢れた。

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本好き - 面白かったです。更新待ってます‼ (4月2日 22時) (レス) id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
田中たけし(プロフ) - 傑「硝子リモコン化して。ハリー○ッター見るから」←化してではなく貸してかと (2月1日 19時) (レス) @page21 id: 9d82b80c5a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼しますっ!先輩と硝子先輩の友達以上恋人未満の関係が凄く見てて楽しくて、それでいて歯がゆいです笑青春がポワポワしてるみたいです!これからも頑張って下さい! (1月6日 10時) (レス) @page8 id: 0d0f10062d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2024年1月4日 3時

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