意志 ページ21
Aside
心臓の音が恵にも聞こえてしまうんじゃないかというほどうるさく鳴っている。
3人とも、元気にしてるんだ...
嬉しい気持ちに対して、やはり術師側と対立してしまったのかという現実。
死んで離脱してた人間が「どうしよう」なんて軽率に悩める問題でもない。
A「分かった。すぐ逃げる」
そう言えば恵が私の頬に手を添えた。
恵「約束だ」
そしてすり合わせるように額と鼻先を合わせればしっかりと目を合わされた。
恵「もう二度と、失いたくない」
その真っ直ぐな瞳に見入った。
大人になった恵に、昔と変わらない真っ直ぐで強い意志をもった小さな恵がまだしっかりといた。
子供ながらに大人びた考えをしていた君の体が、やっとその考えに追いついたんだ。
思わず私も恵の頬に触れた。
恵「懐かしい感じがする」
そっと撫でれば首に顔を埋める。
それと同時に肩を震わせすすり泣くような音が聞こえた。
君がもし、生前の私を思い浮かべて泣いてくれていたのなら...私がお母さんだよと言ってあげれば、涙は止まるのかな？
ー厳しい事を言うが今の君は...彼らにとってはもう死んだ人だー
ー伏黒は入学のときの学長面談で...真人を
その強い意志は、私の言葉で揺らいでしまうのかな？
分からない。
恵にありのままの全てを話すべきなのか、分からなかった。
どんな顔で母親が生きてますなんて話せるんだろうか。
話せば話すほど真人を恨んでしまうんだろうか。
私は臆病者だ...
優しくトントンと背中を叩いた。
子供のときは津美紀よりも真人よりも誰よりもトントンとリズムをとった。
誰よりも抱っこしたし、撫でたし、手を繋いだ。
中学に入った頃から一人で大丈夫なんて大人ぶって、最後に手を繋いだのは小学校6年生のとき。
大きな背中、抱きしめる手も腕も長く筋肉質になっていた。
気づかないうちに、こんなに大きくなってたんだね。
恵「わるい...」ﾎﾞｿｯ
小さな声でそういう恵に、「ゆっくり休んで」と言えば静かになった。
疲れて眠ってしまったようだ。
硝子「大丈夫か？」
そして、小声で入ってきた硝子。
A「沢山がんばったんだね...」
そう言えば、「あぁ、頑張ってたよ」と硝子が笑っていた。
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みんちょ - うへー！最&高。主様天才？もしくは神？？応援するしかないでしょう！！ (12月13日 15時) (
レス) @page7 id: 15c3edd684 (このIDを非表示/違反報告)
しんらん(プロフ) - コメ失礼します。一作目から話に引き込まれて最新話まで読んでしまいました！話の書き方がうまくて尊敬です…！恵や五条達との関係性の変化や今後の展開が気になりすぎます。更新大変だと思いますが、無理せず自分のペースで頑張ってください！応援してます💗 (12月12日 22時) (レス) id: 60887a943f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊織 凛 | 作成日時：2023年12月12日 15時
