気絶 ページ19
Aside
そう言えば驚いた顔をされた。
建人「学生のとき、私に言ったことを覚えていますか？」
そういう七海に頷いた。
A「七海は、適度な距離感を感じて話しやすいって言ったことですよね」
そう言えば頷く七海。
建人「貴方が伏黒くんや...真人に向けていた笑顔は優しく穏やかなものでした。最初は微笑ましいと思っていたのが、時間が経つにつれて羨ましいに変わっていきました」
そういう七海の顔は優しかった。
深い闇に輝く月にも負けないほど、でも眩しさとは違う明るさを感じました。
建人「好意を寄せていた、というのは遠回し過ぎましたね...。Aさん。貴方のことが好きなんですよ。貴方が亡くなったと聞いたとき。心の底から絶望した。その時に貴方への想いに気づいた。その想いを知ったから、もう貴方との間に距離を取ることをやめました」
手を伸ばして、優しく私の頬を撫でる姿は男性なのに、綺麗だとすら思ってしまった。
それと同時に頭の中でハテナが浮かんだ。
ん？好きって好きって事？
七海も硝子も五条も夏油もその他面々も好きだけどそれとは違うやつ？？
そんな事を口が裂けても聞けずにいれば...
建人「愛しています。お分かりいただけましたか？」
私の考えている事などお見通しと言わんばかりにそうささやかれた。
あっ、ハイ、お分かりになりました...
建人「今すぐ答えを求めている訳ではないので。ただ、少しばかり距離が近くなってしまう事をお伝えしたかったんですよ」
鼻と鼻がつきそうな距離に思わず身を引いてしまいそうになったがグッと思いとどまり、キャパオーバーで気絶したがっている脳に活を入れるために軽く舌を噛んだ。
ﾁｭｯ
建人「おや、気絶すると思ったんですが、しないんですね」
頬にキスされた？
された？
されてない？
うん。されてない事にしよう。
そう現実逃避してなんとか気絶の危機を回避した。
そうすればいたずらっ子のような笑みを浮かべる七海が「残念」と言った。
建人「A」
再び名前を呼ぶ七海に、やばい、次何かされたら間違いなく
建人「無茶はしないでくださいね。頼ってください。私をとは限定しません。でもどうか、もう...」
「死なないでください」と言う七海に力強く「分かった」と返した。
建人「それと...」
「おかえりなさい」と微笑む七海に気が抜けてしまい気絶したのは言うまでもない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 888人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんちょ - うへー！最&高。主様天才？もしくは神？？応援するしかないでしょう！！ (12月13日 15時) (
レス) @page7 id: 15c3edd684 (このIDを非表示/違反報告)
しんらん(プロフ) - コメ失礼します。一作目から話に引き込まれて最新話まで読んでしまいました！話の書き方がうまくて尊敬です…！恵や五条達との関係性の変化や今後の展開が気になりすぎます。更新大変だと思いますが、無理せず自分のペースで頑張ってください！応援してます💗 (12月12日 22時) (レス) id: 60887a943f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊織 凛 | 作成日時：2023年12月12日 15時
