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入学 ページ23

Aside

A「恵〜。準備できた?」

恵「う、、ん」

A「ネクタイできてないね」フフッ

真人「貸して貸して!俺やる俺!」

恵「リボン結びすんな!!やめろ!!」

五条の言った通り、あれから毎日のように色々な家の使者が縁談の話を持ってきた。
その度に、もう家庭があるからと断り続けた。

津美紀「お母さん、妖精さんが泣いてるのか床びしょびしょになってる!!」

後ろを振り返れば号泣の陀艮。
本当に水浸しだ。
なんでも、恵の成長を喜んでるらしい。

花御「陀艮、式中は泣かないようにしてくださいね。それから真人、時間がありませんから遊んでいないで変わってください」

恵のネクタイを結んでくれた花御。
今日は恵の小学校の入学式だった。

真人「うげー、恵似合わなーい」

恵「うるさい」

全員で行くため準備をすませればのんびり歩いて小学校に向かった。

恵「お母さん」

真人と陀艮、花御は後からひっそりと見に来るそう。
津美紀は入学式準備で先に学校へ。
今は恵と二人だった。

恵「俺達がいるから、結婚しないの?」

縁談を断る私の姿を見たからか、悲しげに恵は手を握った。

A「違うよ」

そう言えば「じゃあ、なんで?」と聞く。

A「みんなのお母さんでいたいから結婚しないんだよ」

そう言えば恵は首を傾げてしまった。
どちらも同じに思えたのだろう。

私が縁談を受け入れれば、もうここにはいられなくなる。
屋敷に閉じ込められ、男性に頭を下げ、雑用のように扱われ、子を成せと言われ続ける。
きっと、恵達とは会えなくなる。

恵「じゃあ、結婚しないの?」

「そうだよ」といえば恵は顔を上げた。

恵「なら、俺が大人になるまでお母さんが結婚しなかったら、俺と結婚してくれる?」

そう言われクスリと笑ってしまった。

A「さぁ?どうだろうね」

そう言えばムスッとした。

A「恵」

小学校に上がるからか、あるいは真人にからかわれたのか、最近は津美紀と恵にちゃんやくんを付けなくなった。
嫌だと言われたから。

A「私をお母さんにしてくれて、ありがとう」

そう言えば恵は、嬉しそうに笑った。

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虹心(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とっても面白いので大好きです!更新頑張って下さい! (12月7日 14時) (レス) id: 9e6108b140 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2023年12月6日 9時

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