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未来 ページ12

Aside

昔、私に声をかけた物好きがいた。

甚爾「へぇ、これが噂の鬼の子。ただのガキじゃねぇか」

ただのガキ。
その人にとってはただのガキだった。
その事実が、あまりにも嬉しかった。
私はただの子供。
鬼の子なんかじゃない...

甚爾「変わりたきゃ自分で環境変えるしかねぇぞガキ。お前、そのままだと一生"鬼の子"だ」

後に聞いた話、その人は禪院甚爾というらしい。
その日からすぐ後に家を出たと聞いた。

だから私も、家を出た。
10歳ほどの子供が家を出ようと家の人間は誰一人何も言わなかった。
生きるために任務を死にものぐるいでこなした。

そうだ、いつか小さいお人形さんの家みたいな可愛い家を買おう。
広い庭に、沢山の草花を植えて...
子供ができたらお花に水をやる、魚に餌をやる、ご飯を作る、紅茶を飲む、お風呂に入る。
当たり前の事を当たり前にさせてあげたい。
一緒にしたい。
本物の、家族がほしい。

そんな未来を望みながら手を血に染め、泥だらけになりながら生きた。

夜蛾「硝子、治せるか?」

硝子「多分」

たかだか10歳の子供。
当然そんな生活に耐えられるはずもなく、瀕死のところを夜蛾先生と硝子に助けられたのだ。
同じ術師でも私を見ると表情を曇らせるのに、二人はそんな気配すらなかった。

硝子「名前は?」

名前。あったのかもしれない。
でも生まれた時からお前、貴方と呼ばれ続けて、自分の名前も知らなかった。

硝子「A」

A「え?」

硝子「A。友達になってよ」

初めて私に笑顔を向けたのは硝子だった。
初めて私に手を伸ばしてくれたのも硝子。

今も昔も、これから先も...







A「ありが...とう...」

泣きそうになりながらそう言えば硝子もこころなしか目が赤かった。

傑「でもまぁ、悟に慣れるのは大変かもねw」

クスクス笑う夏油に首を傾げた。

傑「なんて言ったって、プライドの塊だろう?Aに勝つまで、いや勝ったあとでさえ猪突猛進は止まらないと思うよ。勢いが凄すぎてなれるどころじゃないw」

硝子「まぁ、そうだろうなw夏油でも距離感近くてAが引いてるのに五条はなw」

五条は...うん。仕方ない。(現実逃避)

大切→←価値



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虹心(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とっても面白いので大好きです!更新頑張って下さい! (12月7日 14時) (レス) id: 9e6108b140 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2023年12月6日 9時

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