伏黒一家とお母さん【呪術廻戦】 (ページ11)

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価値ページ11

Aside

硝子「輝かしすぎて声かけるのも憚られるってどうせ思ってるんだろ」

え、硝子サン、、、さすがです...。

傑「え？」

ポカンとする夏油に「当たっただろ？」とニヤリと笑う硝子。
コクリと頷けば深いため息をつかれた。

傑「あのね、A。もっと深刻な何かかと思えば...」

痛っ！

A「う、ぅ」

頬をつねられ飽きれた顔の硝子と夏油。

傑「御三家のボンボン顔面国宝坊っちゃんも、医療ミスで人殺めてそうなヤブ医者も、前髪の主張強すぎて本体前髪みたいなことになってる私も、一度だって君を下に見た事もなければ、むしろ君はいつも私達三人の前を走っているような人だと感じている」

そう言われ驚いた。
私が、三人の前を走ってる？

傑「君にしつこく絡むのは君と仲良くなりたいから。君に手合わせを何度もお願いするのは君が強いと認めているからだ。もっと自信を持っていいんだよ」

自信を持っていいんだよ。
その言葉が深く突き刺さった。

おかしいな...どこで間違えたんでしょう。

◆

◆

◆

御三家のどの勢力にも属していない家に生まれた。
御三家とも並ぶほどの名家。
しかし、ここ数百年相伝が生まれていないという事態に家は衰退の一途を辿っていた。

そんな時、相伝を持って私が生まれた。
病弱な体で同じ年の子供が受ける程度の稽古にも耐えられないほどだった。

ー貴方は相伝を持って生まれた意味を理解しなさいー

ー強くなりなさい。でなければ貴方に価値はないー

ずっと言われ続けた言葉だった。

必死で小さな手に滲む血を服に擦りつけ、痛む肺に知らないふりをした。

10歳ほどの頃だ。
特級相当の呪詛師率いる組織を潰した。

これは、誇ってもいいんじゃないか？
これは、報告すれば褒めてもらえる。

呪詛師の亡き骸を術で運び笑顔で家の門を潜れば誰もが怯えた。
強くなれと言った母、生まれた意味を理解しろと言った父でさえ異様なものを見る軽蔑的な目で私を見た。
何も、間違っていないはずなのに...

その時から、母や父は私を産んではいないと言い始めた。
この子は間違いなく、鬼の子だと。

ー何故貴方は笑っているのですか気色が悪いー

ーお前は、本当に人か？ー

この間両親に特級昇進の報告に行ったときも淡い期待をしていた。もしかしたら、、、想像の言葉に口角が上がった。

"褒めてくれるかもしれない"

だがその夢も砕け散ったのだ。